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更生いたしました
今から2

婆さんが店を後にした後
俺は春の新作を考えることにした


いつもは母さんが考えていて自分で一から考えることが無かったからこの機会に作ってみることにした

母さんは外に行ってアイディアを練っていた
春だから桜が一般的だが母さんは気に入ったものを使っていただから俺も……店が終わってからな


さて、ケーキの追加をつくろうかな。



















チリン







「すみません」

ハッ
「…はーい」
いかん
ケーキ作りに熱中しすぎた

厨房から出ると若いサラリーマンがいた
「いらっしゃいませ、お待たせしてすみません」

「大丈夫だよ」
人よさそうなお兄さん

「ご注文はお決まりですか?」

「キャラメルムースのとチョコレートブラウニーで」

「かしこまりました」

「そういえば、君はバイトかい?」

「いえ、俺は……」
言葉が詰まってしまう
何て言っていいか分からない
経営者?それは母さんだ
新任?それは違うな
バイト?
息子?………息子だ

「息子です」


そう言うとお兄さんは驚いた顔をした
「ハナさん息子居たの?」

「はい」
苦笑いしか出てこない
そりゃそうだろ若くて綺麗なのに子持ちとか


『……親父に報告しないと』
お兄さんはボソリと言った

気の毒な兄さんの事を考えていて内容は聞こえなかった。それが良かったのか悪かったのかは分からない

「お兄さん大丈夫ですか?」
さっきからぶつぶつ言って自分の世界に入りきってるお兄さん。余程ショックだったとみえる

「ハッ!?大丈夫ですよ」
正気を取り戻したようだ

「はい、お会計は600円になります」

「名前は何て言うんですか?」
ニギッ

「え!?」
なんだこの人!?手を握ってきたーッ!!
痛い、手が痛い、俺、手汗があぁあああ!!!


「よければ、教えてくれませんか?」

「ッ…甘地、…優です」
お兄さんイケメンだよぉおおおおお
ナンパか?
いや、ドッキリ!?新手のドッキリなのか!!

「優くん、いい名前だね」
微笑むお兄さん
まるで子供を見守る親みたいだ


「は、はぁ、ありがとございます」
イマイチ状況に着いていけてない


「あ、これお金」
手渡されるお金

「ありがとございました」

「また来るね」

「お待ちしてます」


お兄さん最後までイケメンでした









チリン




ベルが鳴る

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あきゅろす。
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