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東方炎龍伝
不死鳥と神龍
殺羅に関しては龍斗に任せるとして、少しばかり偽者の俺に関して調べる為に人里に訪れていた。
寺子屋で教師をしている上白沢慧音とは面識がないが、彼女の方は獄炎を知っている。
それに彼女を助けた奴は何故に俺の名を・・・?

「う〜む・・・悩んでいても仕方ねぇ。本人に直接聞くのが一番か。」

そう思った時に丁度良く一人の少女が通りかかった。
慧音の家を聞く為に声をかけた。

「そこの嬢ちゃん少し良いかい?」

「ん?私か?何だ・・・い・・・・・。」

少女は笑顔で振り返り、俺を見た瞬間固まった。

「お、お前!ご、ごごごごごご獄炎!?」

そして、大層慌てた様子で俺の名前を口にした。

「お前、何で俺の名前を?・・・そういや誰かに似てるな・・・・・。」

「覚えてないのか・・・?」

涙目で俺を見つめる姿に俺はその名を思い出した。

「お前妹紅か!いやあ、大きくなったな。髪染めてたもんで分からなかったぜ。」

そう。こいつは昔は黒髪だった。
それに髪も短く大人しい雰囲気だった。

「あ、ああ、これはな、その・・・飲んじまったんだ。」

「飲んじまった?」

「ああ・・・蓬莱の薬さ・・・・・。」

蓬莱の薬・・・。
かぐや姫が帝に送ったっていう不死身の薬か。
しかし、あれは富士の火口で燃やされたはずじゃ・・・。

「お前の考えていることは大体分かる。何故、処分されたはずの薬を私が飲んだか、だろう?」

「ああ。悪いがお前との関係は無いはずだ。」

「処分する時に着いて行ったんだ。その時に、争いが起きてな。残ったのが、私ともう一人になってしまった。」

なるほど・・・不死身になりたい欲で薬を奪い合ったんだな。

「残ったもう一人は薬を処分する気でいた。だから、私はそいつを・・・。」

「分かった。もういい。無理はするな。」

妹紅は途中から泣き始めていた。
相当辛い思いをしたのだろう。

「ああ、すまない。で、話を戻すが私に聞きたい事があったんだろう?」

妹紅は涙をぬぐって俺の方を見た。

「おう。上白沢慧音って知ってるか?」

「慧音なら私の親友だ。というより、お前は慧音を助けてくれたんだろう?なら・・・。」

「あ〜、その事で話があるんだ。詳しくは後で話すから案内頼む。」

「?まあ、良いが。今の時間は寺子屋にいるはずだ。着いてきな。」

妹紅は首を傾げながらも案内してくれるようだ。
俺は妹紅の案内で寺子屋へ向かった。


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あきゅろす。
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