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東方炎龍伝
偽物の英雄2

「ああ、そういえばお前に聞きたい事があったんだ。」

突然、何かを思い出したようにそう言った。

「知らなかったらそれで良いんだが、知ってたら教えてくれないか?」

「何の事かしら?」

「上白沢慧音って言ってたっけか。その寺子屋の先生に俺が提出した書類や自作の特殊弾を渡したのって誰だ?」

「あら?貴方じゃないのかしら?彼女、獄炎に助けて貰ったとか、大切な書類を預けてもらったとか喜んでたわよ?」

てっきり私との事があってから再び戻って来たと思ってたのだけれど・・・。

「俺じゃねえな。書類は提出したっきりだし、それにお前との事があってからは幻想郷に一度も来ていない。」

「それじゃ、偽物って事?」

「そういう事になるな。まあ、特別気にしちゃいないが目立つ事は避けて欲しいんだよな。」

彼は少し心配そうな表情でそう言った。

「俺には片付けないといけない問題がある。それが終わるまでは静かにしていてもらわねえとな。」

「問題?」

何か抱え込んでるのかしら?

「俺個人の問題だ。お前や幻想郷の住人を巻き込む訳にはいかないから聞かなかった事にしておいてくれ。」

まあ、こいつに関わると大抵ろくな事ないからね。

「そうしておいてあげるわ。」

「おう。ありがとな。」

彼はそう言って手を振りながら私の家を出ていった。

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