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東方炎龍伝
ようこそ幻想郷へ
スキマに入って気がつけば、俺達は大きな屋敷の中に居た。
そして、目の前には紫ちゃんと尻尾が九本生えた女性が立っている。
女性は恐らく九尾だろう。となれば、強大な力を持っている筈だ。
俺なんかじゃ敵わないな。

紫「ようこそ幻想郷へ。気分はどうかしら?」

それが俺達が幻想入りして最初に聞いた言葉。
Welcome to Silent Hill.(ようこそ静丘へ)
すまない、今のは聞かなかった事にしてくれ。

「どうもこうもないさ。今来たばかりだぜ?」

紫「それもそうね。」

?「紫様、お茶をお持ちしましょうか?」

紫様?
ということは・・・。

紫「お願いできるかしら?」

?「畏まりました。」

九尾であろう女性は部屋から出て行った。

「紫ちゃん、あれは九尾か?」

紫「ええ。私の式神よ。」

こりゃあ驚いた。
九尾が式神かよ。マジで有り得ないぜ。

「俺は改めて紫ちゃんが凄い妖怪だって気付かされたよ。」

紫「そうかしら?」

紫ちゃんは頬に指を当て首を傾げた。

「九尾を式神にしてる妖怪が凄くない訳が無い。少なくとも俺はそう思うね。俺は紫ちゃんを敵に回したくなくなった。」

そんな奴と戦ったら死ぬのは確実。自殺行為だ。

紫「やっぱり妖怪と戦い続けている貴方は見る目が違うのね。良い判断よ。貴方が人間のうちは勝てないと思う相手には関わらない事ね。それが此処で生きていく為に必要な事。」

「そんな事ぁ分かってる。見極めて戦うさ。」

俺だってわざわざ死に急ぐ様な真似はしたくない。

美咲「あの〜・・・私はどうすれば?」

今まで話しについて行けずに黙りっぱなしだった美咲が口を開いた。

紫「貴方は此処で過ごしなさい。龍斗に着いて行くのは危険よ。」

「俺からも頼む。本当はお前を此処に連れて来るつもりは無かったが、お前の意志で連れて来た。でもな、紫ちゃんの言う通り此処は危険だ。紫ちゃんの言う事を聞いてくれ。」

美咲「分かったけど・・・でも、貴方はどうするの?」

「大丈夫。俺はこう見えても対人外戦闘のプロだぜ?」

ホルスターからリボルバーを抜いてクルクルと回した。

美咲「貴方って一体・・・?」

「俺はJDASUの少佐だよ。聞いた事無いかい?政府非公認妖怪退治組織JDASUって。」

美咲「JDASU?何それ?おいしいの?」

美咲が一言いらん事を言ったが無視だ。

「知らないなら良いや。いずれ分かるさ。」

美咲「スルー!?」

「お前がいらない事を言うからだ。とにかく、俺はもう行く。紫ちゃん、適当な所へ落としてくれ。」

ぐずぐずしてる暇なんて今の俺には無い。
殺羅を体から引きずり出してボコボコにしてやるんだ。

紫「分かったわ・・・と言いたい所だけど、貴方に渡したい物があるの。外を見て。」

紫ちゃんの言う通りに外を見ると、見慣れたバイクがそこにあった。

「シャドウ・・・。」

紫「ええ。貴方、空は飛べないでしょ?移動に使いなさい。ガソリン満タンのオマケ付きよ。」

「マジで!?サンキュー!」

紫ちゃんから鍵を受け取りセルを回す。

ブロロロロロ・・・・・と心地良いサウンドが辺りに響いた。

紫「スキマを通って行きなさい。」

「何から何まで悪いな。」

紫「別に構わないですわ。」

「フッ・・・そうかい。でもよ、この恩は絶対返すぜ!また会おう!」

アクセル全開でクラッチを繋ぐ。
スキマにウイリー状態で突っ込んだ。
俺の長い長い冒険は今始まりを告げた。

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あきゅろす。
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