[携帯モード] [URL送信]

東方炎龍伝
妖怪討伐作戦
あれから暫く経った。
紫ちゃんもこっちの生活に慣れてきたみたいで、休日には美咲やその友人と出かける事が多くなった。

幻想郷ではなく、この世界で過ごすのには良い進歩だ。

俺も俺で紫ちゃんが来てからは仕事も少なく日々を楽しく過ごしていた。
しかし、それも少しの間の事だけでいつもの様に面倒な仕事を頼まれたのだった。

内容は単純に妖怪退治だ。
家の近所に夜になると頻繁に妖怪の群れが出るようになったらしい。被害はまだ無いから良かった。
こういう単純な妖怪退治が一番面倒なのだ。
妖怪の保護や要人警護よりも、だ。

「面倒だな〜・・・。」

宗雅「文句言うんじゃねぇ。リビングデッドよりずっとマシだろ?」

「まあね。・・・・・クリア。」

路地を曲がり確認したが妖怪の姿は無かった。

宗雅「こっちもクリアだ。」

反対も居なかったようだ。

「人型の妖怪なんて居ないじゃないか。酔っ払ったオヤジでも見間違えたんじゃないのか?」

宗雅「それはない・・・と言いたいが、そうかもしれんな。気配すらしない。」

銃をホルスターにしまい、懐から煙草を取り出し火を着ける。
大きく息を吸い込み、深く息を吐いた。

「生き返る・・・。」

丁度ニコチンが切れ始めていた頃だ。
ニコチンを体が欲していた。

宗雅「未成年が煙草を吸うなとは言わないが、程々にしておけよ。体に悪いぞ?」

「そういうお前も煙草を咥えてるじゃないか。」

そうやって説得力もないのに言うのは正直止めて欲しい。
別にいつ死んでも可笑しくない状況下で過ごしているんだ。煙草を吸って体を壊そうと構わない。

宗雅「畜生、騙されたな。本当に出てきやしねぇ。」

「帰るか?」

宗雅「いや、もう少しだけ見回っていこう。」

「気配も無いのにか?」

宗雅「俺達が帰った後に出たら言い訳出来ねぇぞ?」

「それもそうか・・・。」

俺だって後が怖い。そんな事になったら沙織の逆鱗に触れるだろう。
多分、ボコボコにされて減俸だ。

そんなの冗談じゃねぇ!
一人でさえ金がヤバいのに後二人いるんだ。
減俸は洒落にならない。

「見つけ出すまでは帰らない。」

再び銃をホルスターから抜き、構える。
宗雅も同じように銃を構えた。

宗雅「その必要も無いみたいだ。今、少しずつ向こう側に妖怪の気配が出てきた。急ぐぞ!」

どうやら敵さんのお出ましらしい。
面倒な仕事だ。
面倒、面倒、面倒、面倒、面倒・・・。

「皆殺しにしてやる・・・。」

こういう奴らがいるから俺の仕事が増える。ならば全滅させるまでだ。
今夜は真っ赤な夜になるだろう。

[*前へ][次へ#]
[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!