東方炎龍伝 卒業まで 今から一ヶ月・・・。学校を卒業したら紫ちゃんは帰れるのか。 短いようで長いんだよな。一ヶ月っていうのは。 「紫ちゃん、本当にすまない。」 紫「もういいわよ。これで10回目よ。」 俺はさっきからずっと紫ちゃんに頭を下げっぱなしだ。俺が薬を使った所為で紫ちゃんは一ヶ月故郷に帰れない。 紫ちゃんは幻想郷を愛しているのに悪い事をしたなぁ。式神が居るって聞いたから、その式神も心配してるんだろうなぁ。 紫「一ヶ月くらいは何て事無いわよ。」 「それは紫ちゃんが強かったらの話だろ。今は女の子ほどの力しかないんだぜ。」 紫「・・・そうだったわね。そっちの事は忘れていたわ。」 「とにかく一ヶ月間面倒を見るよ。俺が絶対守るから。」 紫「よろしくお願いするわ。」 「紫ちゃんって何か得意な事はあるのか?例えば料理とか。出来る事があったら紫ちゃんにもやって貰いたいんだ。」 紫「そういえば幻想郷ではずっと藍に任せっぱなしだったわね。ごめんなさい。多分力になれないわ。」 ふむ、困ったな・・・。二人分の家事は負担が大きすぎて俺では一ヶ月はもたない。 仕方が無いな。あいつに来てもらうか。 「帰りに知り合いの所に寄るけど良いかい?」 紫「知り合い?」 「ああ。一ヶ月間そいつと三人で暮らす事にしよう。」 ただ、アイツが了承してくれるか・・・。 いつも俺にだけキツイんだよなぁ。またぶん殴られて追い返されるかもしれないな。 顔真っ赤にして殴ってくるんだもんなぁ。 「よし。じゃあ行こうか。帰りは安全運転するから安心してくれ。」 『アイツ』の所へ向かう為に再びバイクに跨ったのであった。 [*前へ][次へ#] [戻る] |