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東方炎龍伝
い、一ヶ月!?
あの後は何とか興奮を抑えてJDASUに辿り着いた。
あと少し遅ければ俺は俺で無くなっていたかもしれない。それ程に紫の行動は俺の心に火を付けたのだ。

JDASUに来るのは半年ぶりの筈だ。あんまり覚えていないけど。
確か半年前にM37と弾薬を買いに来ただけだった筈だ。

紫「何て言うか様々な種族が居るのね。鬼に人狼、猫又まで!」

JDASUは基本的に種族は関係無しに入隊が可能な組織だから色々な奴がいる。
鬼は宗雅か・・・。

宗雅「おお龍斗か。そっちの可愛子ちゃんが噂の八雲紫ちゃんだな。」

紫「私JDASUに入隊しようかしら・・・。」

おいおい随分と物凄い発言してくれたな。
今の言葉には大抵の事では驚かない俺でもビックリだ。

宗雅「やめとけやめとけ。男ばっかりで華が無いし、女も彼氏持ちばかりだ。惚気話聞かされてイライラするだけだぜ。」

「そうそう。自慢されてイライラ・・・って、お前は愛妻家じゃねぇか!」

奥さんがいるなら惚気話されようが別に構わないだろう。

宗雅「あぁ?いや、俺は構わないんだ。紫ちゃんの事言ってるんだよ。」

紫「心配いりませんわ。ちょっとした冗談ですもの。幻想郷を放って置く訳にはいきません。」

「随分と幻想郷を愛してるんだな。感心するぜ。此処に連れて来られる妖怪の殆どが故郷が嫌で逃げて来た奴ばかりだ。その気持ちは大切にすると良い。」

宗雅「愛し過ぎて問題起こさないようにな。じゃあな紫ちゃん。暇になったら幻想郷に遊びに行くよ。」

宗雅は手を振って食堂の方へ歩いていった。
まあ何とも気楽な鬼さんだこと。あれでもJDASUでは伝説になる程のパイロットだ。

紫「妖怪退治の組織って言うからそれ相応の扱いされると思ったんだけど良い人ばかりじゃない。」

「あんな感じの気楽な奴しかいないよ。妖怪も沢山居るし、幻想郷から来た妖怪も居るから会ってみたらどうだい?」

名前は忘れたが人狼だったかな。気の良いオッサンだったな。

紫「後で会うわ。その前に貴方の言う大将の所へ案内して頂戴。」

「この部屋にいるよ。ちょっと気の強い女の子だけど良い奴だから。」

扉を開けるとJDASUの大将・霧橋沙織は机に突っ伏して寝ていた。

「はぁ・・・風邪引くぞ。・・・仮眠室に運ぶか。」

沙織を抱きかかえて部屋を出る。

「すまないな紫ちゃん。」

紫「別に構わないわ。貴方を幻想郷に連れて行く為ですもの。」

「まだそれを言ってるのかい。俺はそんなに特別なのか。」

紫「ええ。貴方がいないと困るのよ。」

ここまで頼りにされたのは久しぶりだし気持ちは嬉しいけど異世界に住み着くつもりは微塵も無い。
紫ちゃんもしつこいぜ。

紫「貴方が来るまで何年でも待ち続けるわ。」

「一種の告白にしか聞こえねぇわ。」

紫「結婚しても良いわ。来てくれるなら、ね♪」

「おいおい俺も男だぜ?本気にしちまうぞ。」

紫「私は本気よ?」

「い、いい加減にしてくれ///」

紫「照れちゃって。可愛い♪」

頭を撫でないでくれ!恥ずかしい!
てか紫ちゃんなら結婚しても良いな。

「って、何考えてんだ俺!」

沙織「ん・・・ふわぁ〜・・・。」

あ、沙織を起こしちまった。少し声が大きすぎたか。

沙織「・・・あ、龍斗おはよ〜。」

「おう。起こして悪かったな。」

沙織「別に良いよ〜。それより・・・降ろしてくれないかな///」

抱きかかえたままだったな。

「ごめんごめん。」

沙織を降ろすと、沙織は欠伸をして目を擦った。
しっかりと目が覚めたようで、俺と紫ちゃんの方に向き直った。

沙織「八雲紫さんだね。霧橋沙織です!階級は大将軍、血液型はA型、好きな食べ物はオムライスです!」

ビシッと敬礼したが、正直な話、敬礼をして言う事じゃない。
名前だけで十分だったと思うのは俺だけだろうか。

紫「初めまして。八雲紫よ。」

「じゃあ、俺も改めて名乗っておくか。JDASU少佐の火神龍斗だ。射撃と剣術が出来るが、どちらかと言えば射撃が得意だ。よろしく。」

手を出すと紫ちゃんは笑顔で握ってくれた。

紫「此方こそ。」

まあ、何と言うか本当に綺麗な人だ。人じゃなくて妖怪だけど。

沙織「それにしてもよく連れて来れたね〜。無理だと思ってたんだけどなぁ。」

「あの薬を使ったんだけどな。」

沙織「あの薬を使ったの?ふ〜ん・・・。紫さん能力使える?」

紫「この通り全然駄目よ。」

扇子で縦に切ったが何も起こらなかった。

沙織「龍斗、一ヶ月間紫さんの面倒見てあげてね。」

「どういう事だ?」

沙織「その薬、効力が一ヶ月よ。」

「い、一ヶ月!?」

あの薬を使ったが為に俺は一ヶ月苦労する事になるのだった。

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あきゅろす。
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