†黒執事+黒猫†
†黒執事+黒猫 act.88†
コツン…
…とそこへタイミングよく現れたのは…
「おやおや。
レディがそんな大声を出すものではありませんよ」
「セバスチャン…貴様」
カチャッとインテリな眼鏡を上へと上げながら微笑むセバスチャンは、どこから見ても完璧なチューター(家庭教師)だ。
怒る坊ちゃんを無視してマダムは説明を始める。
「劉は私の若い燕役。
シエルは田舎から出てきた私の姪っ子役。
ティナは姪っ子の姉役。
セバスチャンはその姪っ子の家庭教師役。
グレルはいつも通りだけど…」
淡々と説明したマダムを坊ちゃんは何か文句ありげに睨む。
そんな坊ちゃんにマダムは首を傾げるが、坊ちゃんは納得がいかないのかマダムに怒鳴りたてる。
「だからっ…
なんで僕が「姪っ子」役なんだ!」
その言葉にマダムはあっけらかんと笑い出した。
「私女の子が欲しかったのよね!
フワッフワなドレスの似合う可愛い子!」
「そんな理由で…!?」
怒りが治まらない坊ちゃんに私は近づき微笑む。
「それだけの理由ではありませんよ?
ファントムハイヴ家とバレてはいけませんからね」
小声で話す私に坊ちゃんは釈然としない顔をしたが、仕方ないと諦めたようだった。
その様子にうんうんと頷きながらマダムが坊ちゃん話し掛ける。
「第一!
身なりのいい執事連れた隻眼の少年だなんて、見る人が見りゃすぐアンタだってバレるわよ!
それが一番いい変装じゃない!
それに…
ドルイット子爵って守備範囲バリ広の女好きらしいからそっちの方が都合いいって!」
「なっ…!?」
私の言葉に納得仕掛けた坊ちゃんだったが、マダムの言葉で全てが崩れさってしまった。
‐act.88‐
†ここまで来ると仮想パーティーだ。
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