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PVの裏側
IMITATON BLACK
「っ、ごほっ、げほっ、げほっ……あ゙ー、死ぬかと思った」
「ごめんねー、レン君」
「申し訳ない、レン殿」
「2人して容赦ないんだもん」
「でもさ、ほら、あぁいう設定だし。ね?」
「カイ兄、謝る気ないでしょ」

ここはとある楽屋の一室。
そこには、『IMITATON BLACK』の撮影を終えたカイト、レン、がくぽの3人が、各々くつろいでいる。



「レン殿」
「ん?」
「レン殿はどうやって着替えるつもりで…?」
「あ…どうしよう…」

レンが着ている衣装は、女モノのドレス。
着る時にも、3人がかりでやっとだったのだ。
脱ぐのもなかなか大変だろう。

実際、レンは背中に手をまわしているが、チャックまでは辿り着けない。

「カイ兄、がく兄…たっ…助けて…!!」
「はいはい」
「分かったよー」

レンが訴えると、がくぽとカイトは承諾し、レンの暑苦しいようなドレスをレンから剥ぎ取る。

「あ…暑かった…」
「レン殿、よくこんな大掛かりな衣装着ようなんて思ったなぁ」
「だって、俺以外にあれ着れる人いないし…!!」
「ごめんねぇ、レン君」
「カイ兄、さっきから謝る気ないでしょ」
「あはは…」

「てかさ、」
「どうした?」
「がく兄、口調おかしくね?」
「言われてみれば…」

カイトとレンは顔を見合わせた後、がくぽの方を向く。

「堅苦しい口調が消えた…」
「い、いや…、曲のせいだって…」
「なんか、がくぽと俺の区別つかないんだけど…」
「声色でしか、カイ兄とがく兄が判別出来ない…」

私にはもう判別出来ません。
いや一応出来てますが。
…そんな私事は置いておきまして。


(どうやったらいつもの口調に…?)
(なんか、これはこれで面白くね?)
(え…じゃあ、ほっとくの?)
(じゃあレン君は、がくぽの口調を戻す方法分かるの!?)
(わ…わかんない)
(じゃあ、ほっとこ)
(う…うん…)


カイトとレンの密かな激論の末、がくぽの口調については、突っ込まない事に。

「んじゃ、帰る?」
「だねー。早くしないとリンに怒られる」
「俺もめーちゃんが待ってるし」
「惚気んなバカイト」
「えぇ!?どうしてそういう事…」

「2人とも、楽しげでござるなぁ」

「「え゙」」

口調が戻ったがくぽに、2人が鈍い声を上げる。

「え…、拙者何かしたでござるか…?」
「なんだよー、戻っちゃったし」
「あーあ、残念」
「せっかくルカ姉に聞かせようと思ったのに」
「レン君、そんな事企んでたの…?」

話に付いていけないがくぽは、1人焦っている。

「だ…だから何の話…」
「カイ兄、帰ろー」
「帰ろー帰ろー」



ガチャリ、とドアが閉まり、がくぽは楽屋に1人残される。

「拙者が何をしたというのじゃあああ!?」


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