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四時間目





「ね、ね、僕の名前は?」


「……ひばり きょうや」


「キャー喋った超可愛い!!」


「…………」









四時間目
迷子になっても諦めるな(後編)












目の前にいる小さな男の名前はひばり きょうや君

スッゴく可愛くてスッゴく可愛いひばり きょうや君



「並盛幼稚園に来てよかった
迷子になってよかった」



あまりの感動に思わず涙が出そうになる
いやー時に迷子になってみるもんだ。これはきっと神様からくれたプレゼントだね、うん



「…ねえ」


「ん、何かな?」


「なまえ」



ほー、まだ小さいのに律儀だなぁ
てか名前言うの忘れてた



「ああごめんごめん
私は魅月 紫苑。よろしくね」



ニヘラと私が笑いながら自己紹介を済ませる



「みづき…しおん……」



私の名前を言うと手を組んで俯き何か考え事をし始めた



「どうしたのきょうや君」


「………」



するといきなり何かを思い出したかのか顔を凄いスピードで上げ私を睨みつけた



「ん?」


「…み……つな…の……」


「(声が小さくて聞きとれなかった……)
ご、ごめんもう一回言って」


「きみは…しおんはそうしょくどうぶつなの?」


「………はい?」



ちょ、私今笑顔で固まったよ
初めての経験、草食動物とか聞かれたの



「…どちらかと言えば人間は雑食動物じゃない?」


「ちがう、しおんはそうしょくどうぶつかって聞いてんの」


「……肉食動物か草食動物かと聞かれたら…私は草食動物……かな」



狂暴じゃないしね。それに肉よりサラダ派なんで



「…むれてる?」



どういう意味で言ってるのかサッパリわからないよ
むれてる……ああ、蒸れてるって事ね
私は全然蒸れてないけど……いきなり失礼だなこの子



「そんなことないよ私蒸れるの嫌いだしね」



まあ誰だって蒸れるのは好きではないだろ

私がそう告げるときょうや君は少し微笑んだ…気がした



「むれないんだ、じゃあかみころさないですむね
ついでにどうせきみ迷子でしょ。道あんないしてあげるよ」


「(かみころさない?ていうか偉そうだな)
ありがとう…職員室に行きたいんだけど……」


「こっち」


「速っ」



さっきまで私の目の前にいたのにちょっと目を離した隙に50mくらい先にいた

私は走って追いかけたら廊下は走るなってきょうや君に言われて仕方なあく歩いた。小さい子に注意されるなんてちょっとショック







─────‐‐‐
───────‐‐‐






「(そういえばそんな事があったんだよなー…)」



あ、忘れてる人もいると思うけどさっきの回想ですよー。実際は1話の初めら辺ぶりだねー



「ねえしおん、だれに話かけてるの」


「え、私声に出してた?」



コクリと頷くきょうや君
やべー、私痛い子じゃん



「まま、気にしないで」


「ふうん……ついたよ」



私達の目の前に現れたのは普通の扉。でもちゃんと『職員室(しょくいんしつ)』とひらがな付きで書いてあるプレートがついておりいかにも幼稚園らしい。



「え、本当だ
ありがとうきょうや君!」


「べつに…」


「あ、この後どっか行くの?」


「きょうしつ」


「そうなんだ
付き合ってもらって悪かったね、バイバイ」


「……またね」



きょうや君はそう言うと後ろに向きそのままどっかに行ってしまった








((それにしても可愛いかったなぁ。また会えたらいいな))








雲雀 恭弥



20101126修正

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あきゅろす。
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