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あの夏をもう一度







戦う時が来た―――




あの夏のように


一緒にみんなで――












No.2 あの夏をもう一度





















ガチャン――――


受話器を置いた


「時雨さん、来るんですか?」

「ああ。」



太一の家―――



「光子郎くん、ウーロン茶いる?」

「あ、いただきます」


ネット上に突如現れた1つのデジタマを
発見した光子郎は
すぐさま太一に知らせに来ていた


「えーと……次はぁ…」


そして太一は
あの夏の選ばれし子供たちに
連絡をとっている



そのデジタマから生まれたデジモン


それは
アグモンたち曰わく
凶悪なデジモンだったのだ


光子郎も
そのデジモンが
ネット上のデータを食べて
成長しているのは
わかっていたし
太一の
『ネットの中から消去する』という
提案は光子郎が即無理だと
判断した――――



このままでは世界中の
プログラムが食い尽くされてしまう



そう思った太一と光子郎は
みんなと共にまた
戦うことを決意したのだった――




だから太一は
連絡をとっている

太一はすぐさま一番に時雨に電話した。

はっきり言って太一は時雨のことなら
だいたい分かっているつもりだ―――

だから太一がかけたのは
時雨の祖父祖母の家だった。


『すぐ行く!!待ってろ太一!!』


案の定、時雨はそこにいたのだった。

そして、一緒に戦ってくれる――――!!



「太一さん、嬉しそうですね・・・」



光子郎が若干俺を睨んでる・・・

気のせいかな・・??


「あらー、時雨ちゃんも遊びに来るのね?」


後ろで楽しそうに
息子に問いかける母親――――


遊びに来るんじゃない・・

一緒に戦いに来るんだ・・・



「次は丈・・・」



そしてみんなが

選ばれし子供たちが集まって

あのデジモンと戦う!!


――――世界をめちゃくちゃにはさせねぇからな!!



という予定だったが……





「丈は・・・・え?・・入試??」


「えぇ?ヤマト出かけてるんですか?タケルも一緒に?あのぉ〜何処へ・・?えぇっ!!島根!!?」


島根にもかけた―――


「もしもし!!」

『どちらさんですかぁ?』

「東京の八神です・・すいません!!あの・・」

『もっぺん言ってくだしゃらんかいね?』

「あの・・だから・・っ



ヤマトかタケルに変わってください!!」



『あぁ〜・・そりゃぁうちの孫ですわぁ』


――――――こんのくそババァ!!


「あ・・あ・・・・」

『ほんにもういい子でしてねぇ〜』

「すいません!!あの・・大事な用件で・・!!」

『それですかぁ』


ブチッ!!


プーーーーー・・・プー・・プー・・プー・・・



「切ぃりやがったぁぁ・・・」


さっ―――最悪だ・・・


「次ぃっ!!次だ!!」


次は・・・ミミちゃんだな・・



――――太一さん、がんばってください

光子郎は目の前で
必死で電話する太一を見ていた


「光子郎くんは春休みどっか行かないの?」


不意にウーロン茶を飲んでいた光子郎に
太一ママがたずねる――――

「ええ、とくには・・・」

春休み・・・予定なんて一つもない

ただ出された宿題をやって
パソコンして・・・・


「どっか出かけたいわよねぇ?」


それも特に思わない・・・

それに僕は退屈じゃない


今日
―――時雨さんに会えますから・・・


ボンッ!!


「あら?光子郎くん、顔真っ赤よ?」


「そっ・・・そうですか?」


光子郎はウーロン茶を一気に飲み干した




「あっ!!もしもし?」

『ミミでーす!!伝言よろしくね!!』

ピー・・・

――――留守・・・

伝言残しとくか・・・・


「ミミちゃん!あっ太一だけど、すぐ俺んち連絡くれる??」

ガチャン―――

ふぅ・・・

あとはヒカリと・・・空・・・だな


「母さん!!ヒカリ、誰んちの誕生日会行ってんの?」

「え?ヒカリ?」

「ヒカリさん、誕生日会にいってるんですか」

光子郎は小麦粉を篩いながらつぶやく


「あ、こんな感じですよね?」

いまいち小麦粉の篩い方が分からない光子郎は
一応聞いてみた

「そーそっ、ダマにならないようにね。」


「母さんってばぁ!!」


「はいはい。そこにメモあるでしょ?」

――――メモメモメモ!!

あった!!!

「なんだよ・・・まったく・・・・」




























―――結局ヒカリはまだ帰れないか・・・

あとは・・・・・空

う〜ん・・・・気まずいよなぁ・・

どうしよう・・

そうだっっ!!


「光子郎!!」

小麦粉を篩うパソコンオタクに頼もう!!

「え??」

「あっ・・・・あのさ」

「・・・・・・。」

「空んちぃ・・・電話してくんない??」


――――何を言い出すかと思えば・・・

―――時雨さんの時は
電話させてくれなかったくせに・・・



「空さん??太一さんがしたほうが……」

「いいからっ!!ほらっ」

「うわぁっ」






―――――1分後






「何かあったんですか?」

光子郎はさっきから感じていたことを
率直に太一に言った

「別にぃ〜」

「何かあったんでしょ??」

「何にもねぇよ」



『あ、いないって言って』



――――……………。


「こんな時にケンカなんてやめてくださいよ!!!」

「ケンカじゃねえって!!」

「やっぱりケンカだ………」


――――タイミング悪すぎでしょ


「うるせーなぁ………」

「一体なんのケンカかは知りませんけど
どうするんですか……」

「仕方ねぇだろ!!」

「三人だけなんですよ?!!」


「コラっ、2人とも」


太一ママがケンカになりそうな
2人の間に入る――――




なんか気まずいな………

これから一緒に戦うってのに





しかし―――そんな気まずさは
次の瞬間吹き飛ぶこととなる




ピンポーン






――――――!!!!




「誰かしら………?」

太一ママは首を傾げる




太一と光子郎はわかっていた



「時雨(さん)っ!!」



真っ直ぐ玄関へ――――


ドアを開ける




「太一!!」




全力で走って来たのだろう

かなり息切れしていた




「遅くなってゴメンな!!!」




蒼嗄時雨は
ニッコリ笑った

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