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戦地行き特急列車






ワイワイワイワイ………



まぶしい日差し

たくさんの人で賑わうビーチ



潮風に吹かれながら
今太刀川ミミはハワイにいた――


日本で時雨たちが
何をしているかなど
全く知らずに…………




「ん〜!!!!」


ミミは背伸びをした




「やっぱハワイはいいわぁ〜!!!」




















No.10 戦地行き特急列車














カチャカチャカチャカチャ



ポンッ



「よしっ!」


光子郎の衛星携帯により
敵のせいで切れていたパソコンが
ようやくつながった


「さっすが衛星携帯!」

「やるねー♪光子郎〜!」

パチパチと拍手をする時雨

「い、いえ………」

光子郎の顔は赤くなっていた

「そんなたいしたことじゃないですよ」

そう言って光子郎は
時雨に向かって
はにかんだ


が、しかし


「あれ………?」


不意に光子郎の表情が曇る――

「なになに?」

時雨は光子郎が見る
パソコンの画面を見た


そこには―――



「奴がいない!!」



敵の姿がなかった



「NTTを出たのか?!」


「おい………」

「えー」

戸惑う太一と時雨


光子郎は自分のパソコンの方に
上半身だけを向け
敵の居場所を探し始めた


―――もしかしたら
さっきみたいにメールが届いてるかも


光子郎はメールボックスを開く



メールをチェック中……



ポンッ


光子郎の読み通り
一通のメールが
光子郎のパソコンに届いていた


差出人は



やはり敵だった



本文は
"イナイイナイバー"という一文のみ


「いました!!」


光子郎は叫んだ

そしてアドレスを確認する

敵の居場所は



「奴は……アメリカです!!!」



「「アメリカっ!?」」

太一と時雨は同時に叫んだ














その頃―――ヤマトとタケル



「やっぱ島根にパソコンなんて
あるわけないじゃん!」



走りすぎてヘトヘトに
なりながらヤマトは言った


2人は光子郎に言われた通り
何が何でもパソコンを探していたが
なかなか見つけることが
できなかった

いろんな家をまわったが
どの家も壊れてるとかないとか
そういうのばかりだったのだ



「お兄ちゃん…!早く見つけなきゃ!!
時雨さんたち困っちゃうよ!!?」


弱音を吐く兄に対し弟タケルは言った


―――そうだ
時雨が待ってるんだよな


ヤマトは約7ヶ月前に想い始めた
時雨のことを思い浮かべた


いつも元気で
マイペースな自然体な女の子のことを

前向きで
一緒にいるとなぜか楽しくなる
女の子のことを


若干頬が赤く染まる

それに気づいて
そんな自分に照れるヤマト


よけい赤くなってしまった――



「お兄ちゃん…何やってるの?」


ヤマトの不振な行動に
少しひいているタケル


「い、いや……気にするな…」


はははと笑いながら
ヤマトはごまかし
空を見上げた―――



まさかこんなに
好きになるとは思わなかったな……

時雨が
太一の家にいるってだけで
気持ちがこんなに焦るなんて

最初はあんなに時雨の
性格が気に入らなかったのに……

前向きで無鉄砲なとこが……

それに
名前だって呼ばなかった

話しかけることも
あんまりしなかったよな…

ケンカもたくさんしたけど……


いつからだったんだろう?


一緒にいると楽しいって
気がついたのは……



そんなことを考えながら
ヤマトは歩いていた


やっぱり頬は赤かった――




ヤマトとタケルは
気がつけば大通りに出ていた

家や店が並んでいる

島根のこんな田舎の中でなら
都会と言ってもおかしくない場所だった



その時―――


「「あぁっ!!」」


ヤマトとタケルの目に希望の光が
灯った―――



「「あったぁ!!!」」



彼らの目の前には
探しても探しても見つからなかった
パソコンが存在した

ガラスごしに見えるそれは
東京ではいつもみているはずなのに
なぜかすごく輝いて見える

あまりの感動に
兄弟の目には涙が浮かんでいた




しかし―――



「ごめんねボク。」

おばさんは言った

「このパソコン
インターネットに
つながっちょらんだぁ」



ガーンΣ(゚□゚;)



嘘だ……最悪だ………


時雨(太一と光子郎も)…
ごめんな…………

やっぱ無理かも……



感動の涙が絶望の涙に変わった



「いーがいーが
使わせてやろがぁ」

おじさんが言う

「しょうちゃん配達はいいかね?」

おばさんはそんなおじさんに
心配そう言った

「かわいそうだがや」


バンッ!!

「!!!」

おばさんは机を勢いよく
叩いた―――


「だけん!!インターネットに
つながっちょらんけん!!!」


バァンッ!!!

今度はおじさんが
机を叩いく―――


「つなげてやろぉや!!!」


夫婦喧嘩勃発―――!!!


「まぁまぁお二人!!」


ヤマトはそんな2人の間に
なだめるように入った


喧嘩なんてしないでください…

俺らには時間がないんです……


あーあ………




パソコンどうしよう………




ヤマトとタケルは途方にくれた

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