鯣イカの戯言 9 ーーーーーーー 駅でケンジと別れた後、真っ直ぐに待ち合わせの公園に向かう 最近暗くなるのが早い 暗いのは苦手 寂しいし、凄くこわい ケンジと歩いている時は感じなかったけど、風が冷たくて人恋しい 少し早足で公園に着くと、薄暗い公園の木々がザワザワと揺れている 街灯の下に見覚えのある人影を見付ける ・・あ、望月さんだ・・ ホッと息をはくと同時に少し残念な気持ちにもなる 望月さんは4人の中で一番優しくしてくれる 良かった・・明日もなんとかなりそうだ 俺の姿に気付くとゆっくり歩いて来る 「やぁ、ショウ君久しぶり・・って2週間ぶりくらいか」 「はい、ゴブサタしています」 望月さんはフッと笑うと胸元から携帯を取り出す 「寒いし・・お腹も空いてるし、早速だけどいいかな?」 「勿論です」 そして二人で公園の鬱蒼とした林の中に身を隠す 木を背にした望月さんがベルトを外してスラックスを下ろすと、俺は正面に膝ま付いて手を伸ばす 携帯を掲げて望月さんが合図を送ると、俺はそこに顔を埋めて、猛ったモノを舐める 時々望月さんを伺い、アングルや反応の確認もする 望月さんは黙ってうなづいて頭を撫でてくれる 「最近また太ってきてね、運動不足もたたってるから、ようやくウォーキングを始めたけどね・・どうも続かない」 ファミレスで食事をしながらする会話は何時も楽しい 俺の知らない会社の事とか、世間の事とか楽しかった事とかを話して聞かせてくれる 優しくて、何時も笑ってくれる 年齢も体型も箕輪さんに近いからか、俺は望月さんが相手だとホッとする 「外食は良くないんでしょ?今度俺、食事準備しますよ あと、ウォーキングも付き合います」 「あぁ・・ショウ君は料理が上手らしいね ・・でもそれは悪いからいいよ 食後のウォーキングに付き合ってくれれば」 「でも・・何時も食事、ご馳走になってるし・・ 俺ので良ければ作ります」 望月さんは笑ったまま困った顔をした 「・・独身男にそれはキツすぎます そんな事されるとね、勘違いしかねないんで・・ ね?辞めておきましょう」 悲しそうに見詰められて、悪い事を言ってしまったんだと謝る こうゆう時が一番、自分の頭の悪さを呪いたくなる [*前へ][次へ#] [戻る] |