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鯣イカの戯言
3

初めて会って、ろくに話しをしてない奴を自分の部屋に泊まらせるなんて、ヤッパリネジが飛んでるとしか思えない

無防備もいいところ

流石に無償で寝床と食事を提供したわけじゃないだろう・・


腹一杯になったし、体力も回復したし

ここは期待通り体でお支払いするしかなさそうだ


台所で皿を洗っているミケをそれとなく観察する


上下のジャージから伺える体の線は細くて頼りない

髪はくせ毛なのかモサモサしてるし、色も白くて、体毛も薄そう


・・・全然萌えない

ムキムキマッチョをトコトン追い込むのが好きな俺にはちょっとハードルが高そうだ

だが、本来バイである俺は必要ならば女を抱ける


そうだ
女として見ればなんとかなる


仕事の一貫

支払いを済ませてキチンと精算すれば、この先邪魔される事はないだろう



「ケンジ、アイス食べる?」
皿洗いを終えたミケが冷凍庫に頭を突っ込みながら聞いてくる

「食べる」

「ん」
差し出されたのは棒状のチューペット

ガキの頃、アイスと言えばこれが出てきた

懐かしいし・・地味だ


「・・まだあんだ」

「安いし、いっぱい入ってるんだよ
これ大好き」

得意げに話すミケ


貧乏臭くてなんか泣けてくる



部屋の中はキチンと整理されているけど最初の印象通り、小さなアパートだった

ミケ曰く築25年のボロアパート

近くを通る電車が通過する度に振動2くらいの揺れを観測する



「おかげで本当の地震があっても気づかないから怖くなくていい」そうだ

何がいいのかサッパリだ

そんな貧乏くさいミケの部屋に似つかわしくないパソコンが寝室に置かれていた

パソコンに繋がれたカメラとマイク


俺が泥棒だったら一番に掻っ払うな

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あきゅろす。
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