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白と青と黄色のもろもろ
交差14
「・・俺はさ、こうゆうの慣れてるから・・
馬場にも見られてるけど・・だから気にするな」


一応フォローのつもりだったけど馬場は体の力を緩めない


まぁ、正直驚きはしたけど先程までの行為と比べれば屁でもない

キスなんて挨拶だし


そう言ったのも馬場だし


それに・・
そんなに嫌でもないとゆうか

馬場が心配なのと、ちょっと心地好い感覚が入り混じっているから不思議だ




「慣れてる・・ね
まぁ、そうだよな

挨拶みたいなもんだ」


顔を上げた馬場は何時ものふてぶてしさを取り戻していたが、少しだけ悲しそうに見えた


「・・大丈夫か?
体調悪いなら何処かで休もう」


あの部屋・・

先程までいた部屋を伺う

勝手に使わせて貰うのはダメなのだろうか?


「・・いい、平気だ」



奥の扉が開いて店員と女の子が出て来る

「サンキュー馬場っち
変わりなかった?」

「ああ」


店員は壁にかけてある鏡を見ながら髪型を整える


「じゃあね」
女の子はホールに向かって行った





「・・・馬場はしなかったの?」

てっきり馬場が女の子としたくて来たのかと思っていた

「ん?・・俺あんまり好きじゃねぇんだ

飽きた・・ってゆうか

手っ取り早いけど、面倒臭いみたいな」


「よく言うよ馬場っち

中学の頃は所構わずだった癖に」

鏡を眺めたまま店員が口を挟む


「お前、余計な事はいいから」

馬場が店員の脚を蹴ると店員は大袈裟によろめいた



「・・なんか付き合わせて悪かったな」

馬場が俺の為にわざわざセッティングしてくれたのに

「・・出来なかった?」

「・・中途半端」

「なんだそりゃ」

「正直俺にはハードルが高すぎるよ」


女の子は本当に優しくて色々リードしてくれて、有り難かった

けど、初めて見た女性器にカルチャーショックを受けたとゆうか・・

途端に萎えた俺を気遣い口で呆気なく終えた話をすると馬場は笑い飛ばすでもなく
「そうか・・」

と呟くだけだった


「・・格好悪くてゴメン」
馬場は俺の頭をポンポンと撫でながら、凄く優しい顔で笑った


俺はその顔に心とゆうか、全てを奪われた





∞馬場サイド


「・・っもっしも〜し!お疲れッス〜!・・ハイ?・・ハイ・・了解ッス〜」

携帯をポケットにしまうと五郎は引き戸を開けてコロコロとファブリーズを手にして個室に向かう


空き部屋確認の連絡だ


本来は店の裏家業にあたるのでホールやカウンターのスタッフから連絡が入り、部屋を提供する

もちろん金がかかるオプションだ


俺の場合は色々あって短時間なら五郎は内緒で融通を利かせてくれる



「そうゆう訳だから客が来るから行って」

「なんだよ、浮気がバレた愛人みたいだな」

「そうよっ!
バレたら大変なのよ

また、連絡するからっ」

五郎はコロコロを降りながらクネクネしてみせる


「・・探り入れられてるならお前も早く辞めた方がいいぜ」

「ん〜・・判ってはいるけどね
考えとく」


五郎は適当に返事をした




足音がして扉が開かれる



しまった

バッティングしてしまった

店の関係者じゃなきゃいいが・・


俺は雪村の手を引っ張り、なるべく目立たないように通路を空けるために壁側による



こんな所を利用する奴なんてロクなのじゃない



先程の五郎の話を思い出す


『探りを入れられている』
まさかとは思うが・・


雪村を連れてきた事を後悔した


歩いてくる足音はひどくゆっくりで革靴のような高い音がやたらに響く


俯き顔をひた隠すが、ジットリとした視線が否応なし突き刺さる




視界に入る黒い革靴


早く過ぎ去ってしまえばいい



呼吸を止めて堪える時間の長いこと


俺の願いとは反して革靴は俺の前から動こうとはしなかった

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あきゅろす。
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