素晴らしきかな!! 2 和食と和菓子を作り始めてから1時間ちょっと。 出来上がった和菓子を冷蔵庫にしまいながら隆ちゃんを呼ぶ。 「隆ちゃん。ご飯だよーん…ってあれ?! いつの間に!!」 冷蔵庫から顔を上げてみると、つい数分前まではソファーに座っていた隆ちゃんの姿がいつの間にか4人掛けのテーブルについていた。 「美味そうな匂いしてきたからな。物音少なくなったし」 「あ、そうすか」 「んじゃ食うぞ」 その言葉に慌てて俺が席につくのを見て、隆ちゃんは手を合わせる。 隆ちゃんに習って、同じように手を合わせて「いただきます」と同時に言った。 俺が作った和食の半分以上を平らげた頃、満足気に食べていた隆ちゃんがふと口を開いた。 「そういや、聞いて欲しい事って何だよ?」 俺は肉じゃがのじゃがいもを食べて、あー、やっぱもちっと味つけりゃ良かったな、なんて主婦じみたことを考えつつ、隆ちゃんの言った言葉をおざなりに頭の中で反復する。 聞いて欲しいこと? はいはい、聞いて欲しいことねー……ん? 「あー! そうだよ隆ちゃん!!」 漸く思い出した事に、若干大きめの声をあげれば、隆ちゃんの顔が顰められる。 「声がデカイ」 「そんな事はいいんだよ! 隆ちゃんがさっきちゃんと話を聞いてなくれないから、忘れそうになったじゃん!!」 「…どうせまた下らねぇことだろ」 俺の顔の輝きように気づいたのか、隆ちゃんは嫌そうな表情になった。 さすが隆ちゃん!! 1年も一緒にいるだけあって、俺の事分かってるぅ! でも、その言葉はいただけないね! 「隆ちゃん!! 何言ってんの?! これは俺達腐男子にとって大事なことなんだよ!」 目の前には料理が並んでるからしないけど、机をバンッと叩きつけるようなそんな勢いで言う。 すると、ほらなって顔をした隆ちゃんは、無言で味噌汁を啜った。 「ちょ、隆ちゃん話聞いてよ!!」 [*前へ][次へ#] [戻る] |