素晴らしきかな!!
夢と希望でいっぱい
「…うう、隆ちゃん痛い」
「テメェが悪い」
怒った隆ちゃんに拳骨を貰った頭がじんじんと痛む。
俺が痛みを訴えても、隆ちゃんは涼しげな顔だ。
…この鬼畜!
ちょっとした冗談じゃんか半分は本気だけど。
「ホント…お前の頭ん中はどうなってんだ」
俺が下から軽く睨み上げていると、隆ちゃんは一つ溜息を吐いて、不思議そうに俺を見た。
その言葉の答えは決まってる。
「夢と希望が詰まったBLへの熱意と萌えと妄想達でいっぱいです!! てか、そうだ! 隆ちゃんちょっと聞いて!!」
「それを少しは勉強面に向けてみろ」
「あらヤダ。不良な隆ちゃんがそんな真面目なこと言うの? てか、隆ちゃん俺のお話聞いてって」
「テスト前の勉強見てやってんの誰だと思ってんだ。もう教えねぇぞ?」
「ごめんなさい隆ちゃん優しい大好き!」
くっ…痛い所を突かれた!
でも、俺はちょーっとお馬鹿さんなので隆ちゃんに教えてもらわないと赤点のテストが返ってきて、もれなく先生と一緒にお勉強コースがついてくる。
特に数学と数学とか数学とかね。
それはホントに勘弁なので、素直に謝る。
それでも心配なので、ちょっとした保険を用意する。
「ね、隆ちゃん。晩ご飯何がいい?」
「あ? 和食。んでもって和菓子な。もちろん手作りで」
「んなアバウトな。てか、何で食後のデザートまで…」
「俺のご機嫌取るならこんくらいしねぇとな?」
「うっ」
俺の意図を見透かしてる隆ちゃんはそう言って、ニヤリと笑う。
バレバレだよちくしょう。
そう思いながら時計をチラリと見れば、17時前。夕飯と和菓子を作るには丁度いい時間帯だ。
俺は、ゆっくりとソファーから立ち上がる。
「じゃ、作ってくるー」
「おう」
冷蔵庫の前に立って、腕捲りをしながら、頭の中で献立を考える。
何にしようかなー。
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