素晴らしきかな!!
そう…ここが俺達の聖地なのです！
街から車で3時間ほど離れた場所に建てられた全寮制の学園。男子校。多くの金持ちの御曹司と一握りの一般家庭の出の特待生が通っている。
生徒会は教師よりも権力を持ち、その生徒会に唯一対抗出来るのは風紀委員会だけ。
そして、生徒会と風紀委員長の決め方が特殊である。抱きたい・抱かれたいランキングというものがこの学園には存在している。抱かれたいランキングの1位は生徒会長、次いで2位には風紀委員長が就任することになっている。
また、その他の生徒会役員は抱きたい・抱かれたいランキングの上位者が就任することになっている。ただし、風紀は委員長自ら副委員長を指名し、あとの委員は風紀委員が勧誘していく、というシステムになっている。
更に言えば、全校生徒の5割がゲイ、4割がバイ、ノンケが1割。
そんな普通では有り得ない学園。それが、1年とちょっと…そして俺が現在進行形で通っている一之瀬学園だったりする。
……。
「うっは。やっばい！！ 萌える！！！！」
萌えた。なんだここは楽園か。楽園だな俺達腐男子の聖地だきっとそうだ。
「うるせぇよ」
「だって、隆ちゃん！
この学園王道過ぎるもの！ ここは完璧に俺達腐男子の聖地なんでしょ?! うん、きっとそうだ絶対にそうだ。俺に萌え死ねっていうんですね分かります!! いや、死なないけどね！」
隣に座っている隆ちゃんに向かってそう捲し立てれば、思いっきり顔を顰められた。
「…意味分からん」
眉間に皺を寄せて、そう言う隆ちゃんもカッコいいよ!!
寧ろ、可愛いよ！
「取り敢えず隆ちゃんは誰かに襲われるか誰かを襲ってくればいいってことだよね、結論は」
「ああ、分かった。取り敢えずお前は自分の頭を一度燃やしてこい」
大真面目な顔でそう言えば、頭を軽く小突かれた。
「ちょ、隆ちゃんひどい！」
「うるせぇ。俺はタチだっつってんだろ。犯すぞコラ」
薄い雑誌で叩かれたから、痛くはなかったけど酷い！
抗議してみるけど、隆ちゃんがとんでもない事を口にした。
でも、いつもの事だからそんなの気にしないんだから！
というかむしろ…！
あ、いや犯して欲しいとかじゃないよ？
俺、女の子大好きだから!!
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