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素晴らしきかな!!


「…わぁったよ。聞いてやるから、いじけんな」


晩御飯を食べ終えて、デザートであるドラ焼きに手をのばしながら、諦めたようにそう言った。
今まで椅子の上に体育座りで座り、いじいじと一つ目のドラ焼きを食べていた俺はその言葉にパッと顔をあげる。


「隆ちゃんっ」


見上げた先には既に、ドラ焼きに夢中な隆ちゃんがいましたまる。ていうか、それ3つ目ですよね。

…何だかちょっとだけ複雑な気分になったんだけど、了承は得たから嬉々として語っちゃうんだから☆
あ、キモイ? うん、俺が一番知ってる☆


「あのね、さっきも言った通りこの学園って王道じゃない? だからね、そろそろ来てもいいんじゃないかなって思ってんのよ!」
「その王道って意味がイマイチ分からねぇが…いや、説明はいらねぇ。おい、あからさまに残念そうな顔すんな」
「えー」


喜々として説明しようとした俺に隆ちゃんは、すぐに嫌そうに断られた。……ひじょーに残念です。


「…んで、来てもいいって、誰が?」
「もう、隆ちゃんったら結局興味あるじゃん!!」


隆ちゃんが俺の話を促すなんて!、と嬉しく思ってると、王道っていう説明聞いて更に長くなるよかは良いだろ、なんていうのが聞こえてきた。俺、気にしない!


「王道学園といえば……




やっぱり王道転入生でしょ!」


声も高らかに食べ掛けのドラ焼きを持った手を天井高く掲げてみせる。
そんな俺の様子に隆ちゃんは顔も上げずに7つ目になるドラ焼きを手に取って一言。


「へぇー」


…………。


「もっと反応してよ!!!」


てか、俺が話してる間にどんだけドラ焼き食べてんの隆ちゃん?!






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