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素晴らしきかな!!
……オワタ

「…死んだ」


自分の机にうっつぷして、そう呟く。今は、数学の小テストと授業が終わった休み時間だ。

何なのアルファーとベータって何の為にあんの?
意味分からんいらなくね使わなくね?
そんな事をブツブツと呟いてると前から低い声が降りかかってきた。


「少なくとも数学を生業とする奴は使うな。例えば……数学教師である俺とか、な」
「知らないよ俺文系だものそんな地獄みたいな職業になんか就かな…い」


俺は、最後までそう言い切った事を後悔した。それはそれは激しく後悔した。

恐る恐る顔を上げてみると、そこには強面男前な顔に綺麗な笑みを浮かべた2B担任兼数学担当教師である片桐誠(カタギリマコト)先生―通称まこっちゃんがおられましたとさ。ワー、素敵ナ色気ノアル笑顔デスネ。黒いとか気のせいうん。

そう自分に言い聞かせていると、目の前の先生が笑顔を深めた。
……あれ死亡フラグ?

い、いやまだ希望はある!!
クラスメイトに視線を移して、目で助けを求めてみる。目が合った人は全員無言で逸らしたり、苦笑で返してきた。助ける気はないんですね分かります。

隆ちゃんはというと、次の授業をサボる為に既に出て行っていった後だ。
助けてくれる人が誰もいないことを悟って、取り合えずにっこりと笑顔を作ってみる。ひ、引きつってなんかないんだから!


「いい度胸じゃねぇか。 地獄みたいな職業だと?」
「ソンナコトイッテマセンヨ」
「じゃあ、あれは俺の幻聴だったってわけだな?」
「そ、そうですよ! もうまこっちゃんったら〜」
「そうか俺も年取ったか。はっはっはっ」


先生と二人ではっはっはっと笑い合うが、俺は冷や汗が止まらない。
暫くすると先生が笑うのを止めて、笑みを深めた。


「…篠宮?」
「……ハイ」
「さっきの発言は取り合えずこの場では保留にしておいてやる」
「ごめんなさ…え?」


てっきり怒られると思って、出来ないけどジャンピング土下座をしながら謝るということを考えてたんだけども、まこっちゃんの予想外の言葉に驚いた
怒られないで済むのかと、ホッと息を吐きそうになった時だった――


「だが、別件で話がある。それが何か分かるな?」


まこっちゃんは、固まる俺に向かってにっこりと極上の笑みを浮かべた。
俺はその笑顔に見惚れるよりも、背中に冷や汗が流れるのを感じた。

「あの…それって」

小テストのことじゃあ、と続けようとした俺にまこっちゃんは、笑みを深めた。

「お前の小テストは、非常に点がつけやすかった。よって、ご褒美に明日からお前は俺と楽しい楽しいお勉強会だ。俺がお前に数学の楽しさ含め、小テストの範囲をしっかりと教えてやるから安心しろ」


まこっちゃんは、至極楽しそうに俺に死亡宣告してきましたとさ。







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