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会いたい
 


その翌日…学校が終わってから、バイトが始まる時間までの時間を潰すために、俺はまたあの小さな公園に来ていた。

もしかしたら、あの優しい男性に今日も会えるかもしれない。なぜかそんな期待をしながらベンチに座って公園横の通りを見ていると、タイミングのいいことに、昨日のあの男性が通るのが見えた。すらりとした体型は、遠くからでもあの男性で間違いないことがわかる。



「君は…」


話しかけてみようか、でも迷惑かもしれない、などと悶々と考えている間に、男性は俺に気づいて声をかけてくれた。あれからずっと男性のことを考えていたのに、いざ対面してみると緊張もあってどうしていいかわからない。


会いたいなんて勝手に思っちゃってたけど、会ってどうしよう、ってところまでは考えてなかった…。ええと、ああ、そうだ!とにかく、昨日のお礼を言わなきゃ!俺は大丈夫だから、心配しないでください、って!



「具合はどうだ?」

「あ…もう、平気です。ありがとうございます」


頭の中をぐるぐるとさせていたら、言おうとしていたことを男性の方から先に言われてしまった。これでは、昨日から、気を使ってもらってばっかりだ。


 

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あきゅろす。
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