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novels
□キャンパス (佐藤様/青夏)

青夏if




「んー…、」

朝横を見れば君がいなかった。 なんでだぬ? 昨日一緒に寝たのにと思いながら眠たい顔をしな がら首を傾げる そして思い出した。 青夏は任務で朝早くから出掛けている事を。 きっと僕を気遣って起こさないで行ってくれたん だろう てかきっと起こされても朝の弱い僕はきっと気付 かないぬ

時計を見ると13時を回っていた。 何時もなら10時に起こされるのにぬ

__

「宝くん起きて」

んー……

「起きてってばー」

必死な青夏が可愛いからもう少し寝たふりぬ……嗚 呼可愛いぬ

「もー……」

__

何てのを昨日やったぬ〜 なんて頭に思いつつ着替え朝食と言うなの昼食を とる。

しかしこの時間からだとやることが限られてしま う 画材を買うことも出来なければ 遊びに行くことすら出来ない 僕の仕事であるマフィアに手紙を届ける運送業位 しか出来ないぬ。 てか仕事しないと仕事がまた溜まっちゃうぬ 近頃青夏と遊びすぎて 頼まれた配達をまだ終わらせてない 机を見るとリズムから頼まれた極秘な手紙や書類の 山が出来ていた

……これ以上後回しすると後々怖いぬ

つまり今から仕事をすることにする 青夏がいないんだからきっと集中出来るだろう

何時もの鞄に手紙を全て入れ外へ出る

森に隠れて建っているアジトから森の外の町に行 き 仕事をしていく

活気付いている町は歩くだけでも一苦労である。

時計の針が5時を指す頃には どうにか仕事を全て配達し 人通りの少ない路地裏の噴水に座って休んでいた

「疲れたぬー…」

ふぅと空を見ると薄く赤い空が広がっていた。

「……描きたいぬ」

こんな空を見ると絵を描きたくなる

空をベースに青夏を描いたらきっと素敵ぬ 僕は元々芸術家な為絵は描くのが大好きなんだぬ

今からゆっくり部屋に帰ったらもうこの空は暗く なってしまうだろう それにひとりぼっちの部屋は寂しいぬ 青夏は明日まで帰ってこない 少しでもあの静かで寂しい部屋で孤独を感じる時 間を絵に集中して短くしたい。

「よし……やるぬ」

僕は閉まりかけてる画材屋まで走り画材を購入し 急いでアジトの自分の部屋へ向かう そして運動音痴な宝には珍しい足の速さで画材を セッティングし 部屋のベランダで絵を描き始める

「……」 きっと青夏が帰って来る前に出来上がるぬ そうしたらこの絵をプレゼントするぬ。

少し顔が緩みながらさっきみた空を思い出しキャ ンパスに筆を走らせる

_____

「ねぇ宝くん」

「ぬ?」

僕は筆を走らせる事を止める

「何を描いてるの?」

「青夏にぴったりの向日葵だぬ」

顔だけ青夏の方に向けそう笑い 直ぐにまた筆を走らせる 絵には真剣な宝 青夏にあまあまな宝は絵になると素っ気ない

(少し寂しいな)

青夏は軽くため息をつきベランダが見える位置に 座り宝の背中を見つめていた。

(宝くん真剣……)

宝の背中は小さくて弱そうだけど優しくて暖かい そんな風に感じた。

(何て言うか…可愛いな)

ふふと笑いながらそんな事を思う青夏。

「……ぬ!?」 「……え…」

気づいたら青夏は宝の背中に抱き着いていた

「あ…の……」 「…寂しかったぬ?」

宝が何時もと違う大人っぽい笑みを溢す

「……」 コクンと頷く青夏だが

「……いってくれなきゃわかんないぬ」 スイッチの入っている宝は言わせないと気がすま ない

「ッ……」 「ほら、言って?」 「…さ…みしかった」

顔を真っ赤にさせそう言う青夏

嗚呼愛しいぬ 触れたい 可愛い。

「ふふ……良く言えましたぬ」

そう言い青夏の頬を触ろうとしたが

触れたのは冷たく乾いたキャンパスだった。 そこには青夏の絵が完成されていた

「あ……れ………………ゆめ……ぬ……?」

まだ覚めない目を絵の具で汚れてる手で目を擦る

夢なんか見てしまったから急に青夏に会いたく なってしまった宝は時計を見るが、まだ夜の2時

青夏は明日の朝に帰ってくる。

「長いぬ……」

誰も居ない静かな部屋でそう呟く

今はキャンパスにしか青夏はいない 早く帰ってこないかぬ

「……青夏」

出来上がったキャンパスに軽くキスをする そしてもう一度キャンパスの前の机に伏せ目を閉 じようとすると

ふわっと上から毛布がかけられる。 「……!」 驚いて振り替えれば

「あ、ごめん起こしちゃった?」

申し訳なさそうに笑う青夏がいた。

「本……物……ぬ……?」

目を疑う。 また夢かぬ? けど青夏の手を握る事が出来たので夢じゃないぬ

「宝くん手冷たいよ いつから此処で寝てた…」

冷たい手を温めるように青夏が手を握る。 青夏の熱を感じたぬ。

「帰るのは明日だったはずぬ」

「会いたくて早く帰ってきたんだ」

照れ臭そうに言う青夏に宝は立ち上がり抱きしめ る

「宝くん?」 嗚呼愛しい

「愛してるぬ……」 「私もだよ、」

そして軽く口付けをする。

……やっぱり本物がいいぬ

こうして触れられるのが一番

__君と話せるのが一番



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