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箱庭の世界 The world in miniature garden

「異世界の住人……話は分かったけど、いまいちぴんと来ねぇなぁ」


一行はフェイン達が倒れていたという森の中を歩いていた。
そんな中、ルシアが先程の台詞を口にしたのだ。
それにルシアの隣を歩いていたレイが答える。


「確かに、逆に俺がルシアの立場なら信じられないだろうなぁ」


二人はどうやら短い間で仲良くなったようだった。
しかし、それはレイとルシアだけではなく、他の全員も同じであった。
フェインとディルはお互いの世界について聞いたり話したりし、そこに時々アリアとキューブが補足説明をし、セレナとアリーナはいわゆる女の子トークというものに花を咲かせていた。
先頭を歩いている寡黙なルイとコウも―――恐らく道に関することだとは思うが―――言葉を数回交わしたりしていた。
そんな感じで和気あいあいと歩いていると、突然先頭を歩いていた二人の足が止まった。
それに倣って、後に続いていたフェイン達も足を止めた。


「……これは…ストーンサークルですね」


前方には大きな石が円を描きながら聳え立っていた。
歴史を感じさせるそれにフェインは意気揚々と近づこうとしたが、それはアリアによって妨害された。


「待て、フェイン。無闇やたらと触ったらまた転移するかもしれない」
「そ、そうですね。危うく、ディル君達も巻き込んでしまうところでした………」


フェインは残念そうな顔をしつつ、アリアの言葉に素直に従う。
それからフェイン達、異世界組はストーンサークルの中に入り、この世界の住人のディル達はストーンサークルの外側に残った。


「……なぁ、本当にこれでリヴァイガに戻れるのか?」
「間違いありません。ここからアースナー達の気配がします。……あとは、準備が出来しだいあそこに触れればリヴァイガに戻れるはずです」


そう言ってルイが指したのは、ストーンサークルの中心に立っている巨大な石柱だった。
一行はそれを確認すると、自分達を助けてくれたディル達にお礼を言った。


「私達を助けてくださってありがとうございました」
「………どういたしまして」

「レイ、お前と話せて結構楽しかったぜ!」
「あぁ!俺もお前と話せて良かったよ!」

「次会った時はアリアちゃんも一緒に女の子だけの話をしましょうねっ!!」
「あ、あぁ………」

「キューブちゃん、今度会った時は私に抱かせてね!」
「……か、考えとくよ」

「フェイン、俺らがそっちの世界に行ったらよろしくな!」
「えぇ。最高のおもてなしをさせていただきますよ。……では、そろそろ失礼します!」


フェインはそう言うなり、中央にある石柱に触れた。
フェイン達もディル達も姿が見えなくなるまで手を振り続けたのだった………。




終わり

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あきゅろす。
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