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ぼくのうずくまるばしょ


幽閉されてどのくらい過ぎただろう。朝も夜もないここは殆ど人の出入りがなく、たまに来たと思っても私の身体に繋がる管に新しいパックを付けて去っていく。私は、まるで、機械、みたい。死ぬことは許されない。そして、人の目に晒されることも、日の光を浴びることも許されない。息をするだけ。身体に液体を入れるだけ。

今この歌舞伎町は天人という輩に支配されているらしい。それからだ。私が幽閉されて息をするだけの機械になったのは。人間とは違う異形の形。昔の日本に戻ることはたぶんムリだろう。だったら私は一生ここで息をしていくしかないんだ。

「母様……」

もう私には思い出しか残ってない。楽しかった昔はもうなくて、作り替えられてしまった。希望なんてもう、ない…
呟いた言葉は虚しさを孕んだ。







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