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黒の教団編
バイオレンスティーパーティー1



茶飲み仲間、されど敵。

無邪気な妹、されど敵。



「ロードォォォォォォォッッ!!!!!」



久しぶりのお茶の誘いにノコノコ招かれた僕。ロードの夢世界はメルヘンな装飾がされているからかなり僕好み。毎回、楽しみにしていた。


まさか、裏切られるなんて……なんて、思ったトコロで後の祭。アッサムに混在された痺れ薬にノックアウトで、テーブルに突っ伏す僕。あーもう、足の指まで痺れて動けそうにない。せめてもの抗いに、じと目で犯人を睨む。


「ロード………」

「ごめんねぇ。アレンのことは好きだけど、ティッキーも大事な家族なんだぁ」

「ならポケットからはみ出してるもん全部、僕に寄越して下さいよ」


ギクッじゃないから。このアマ、ちゃっかり買収されてるし。キャンディーがポケットの至るところから溢れだしてるよ。

で、あくまでこれは夢なわけだけど、痺れてる感覚は現実そっくり。今頃、教団近くの宿屋で廃人みたいになっている本体に影響はないはずだ。ただし、今、動けなけりゃこの分析には何の意味もない。


「あ、アレンの本体は僕が責任をもって守るから心配しないでいいよぉ」

「そら、どうも……」


なら、なんでこんなこと、なんて聞くほど馬鹿じゃない。聡すぎて困るほどだ。


ああ、ほら見たことか。ニヤニヤ卑下な笑みを浮かべて変態が現われたよ。精神世界でもキモさは変わんないな。


「………サイッテー」

「少年、許してくれ。こうでもしないと、少年は恥じらんで何もさせてくれないからな」

「もういいから、死んでくださいよ。それだけが僕があなたに唯一感じれる幸せですから」


モラルも何もあったもんじゃない変態が一歩、一歩近づいてくるのを、ロードはひたすら見ないフリをしている。ちょっとは後ろめたいし、罪の意識があるみたいだ。彼女なら、交渉次第で味方に出来そうだ。


百合趣味なロードはわりと僕を好いてるみたいだし。


「し、少年……やっと、やっと、この時が来たんだな……」

「てめぇ、次逢ったとき覚えとけよ。目玉引っ込抜いてフライパンで炒めてやりますよ。それから、四肢八つ裂きにしてテムズ川に流してやる」

「嗚呼、その声最高だ。この状況でも凛としていると、俺もヤリ甲斐があるよ」

「まじ死ね。すぐ死ね。とにかく死ね。死んでから一生、地獄でヌイてろ」



くそっ、毒吐く唇もピリピリする。どんだけの量を盛ったんだ。こうなったら、喋るのが嫌になる前に、交渉といこうじゃないか。



「ロード」



変態蛆虫が僕の白髪に触れるギリギリのタイミングで、ロードに呼び掛ける。


「な、なぁにぃ、アレン〜?」

「この男と取り引きしたのは何処までですか。ここに僕を招くまで?それとも、薬を盛るまで?」

「んーん、薬を盛ってぇ、ティッキーをここに入れるまでぇ〜」

「なら、遂行されたわけですね。じゃあ、新しく僕から交換条件です。僕をこの変態の魔の手から守って下さい」

「見返りはぁ?」

「大人のキス」

「のった」


即決かよ。家族に変態が一人いたら、身内もまたアブノーマルに育つのだろうか。嬉しそうな顔しちゃってまぁ可愛らしい。



「ロード、裏切る気かっ!?」

「馬鹿だねぇ、ティッキーは。はなっからアレンを助けるつもりではあったんだぁ。だって、ティッキーごときにボクのアレンを穢されるなんて冗談じゃない。アレンを穢すのはボクだよ」



んー、ん?何だか聞き捨てならない言葉も混じってた気がしないでもないですよ。助けてもらうから敢えて追及しませんけど、僕を穢すのは神田だけですから。他の誰にも『僕』はあげませんよ。



「まぁ、些細なことはこの際、いいでしょう。先に言っておきますが、僕はより残虐な展開を所望しますよ。期待に応えてくださいね。ロード、GO」




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