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黒の教団編
貢ぎ物に最愛を込めて



CASE:1***キエ&マオサ



俺たちは新米隊員だ。教団のサポーターであったアニタ様に長らくお仕えしていたのはついこないだ、激しい戦火に身を置いた結果ここに辿り着いた。


というのも後輩の水夫であったチャオジーがエクソシストだと発覚し、彼一人を残す不安と船乗りとしての居場所を失った俺たちの身の振りを案じ、こうなった。表向きはそうなってる。



「俺、木彫りで百合の花を作ろうかな」

「俺は手紙かな。便箋50枚に愛をしたためるぜ」



俺たちはいま、趣味を活かし彼女への贈り物の算段を整えている。そう、日本の江戸にて電撃的な出逢いを果たした白百合の君への贈り物を。



彼女――アレン・ウォーカーはこの世の生ける美の遺産なのだ。



江戸での邂逅は俺たちの心に深い愛の矢を突き刺した。仲間のエクソシストであるリナリーさんを護るため颯爽と現れ、剣を奮った彼女はまさしくヴァルキュリーそのもの。凛としたその姿に眼を反らせなかった。



その後、落ち着いて挨拶をした際に再び心が跳ねた。戦場での毅然とした態度と打って変わり、彼女は驚くほど柔らかで儚げな笑顔を浮かべたのだ。



『はじめまして、僕はアレン・ウォーカーです。訳あって船旅には参加出来ませんでした。……大変な航海だったみたいで心中お察しします』



戦線離脱していたエクソシストの話は先輩から聞いていた。出立直前にAKUMAの襲撃と『咎落ち』なるものに遭遇し、戦闘で満身創痍のまさにその時、最悪のタイミングでノアに狙われたということだった。


安否については分からず終いで、沈んだ様子のエクソシスト方々を見てたから、もしやとも思っていた。だが、彼女は舞い降りた。誇張なく天上より降り立ったのだ。



「くぉぉぉぉっ、アレン殿は女神だ。俺たちの生きる希望なんだぁぁっ」

「すれ違うときイイ匂いがするんだよなぁ〜……」

「一回でいいからリナリー殿みたいな女性用の団服を着てほしいよなぁ………」


アレン殿のミニスカ団服姿…。


「「…………………」」


修行時代の名残で男装を好む彼女だからこそベールに包まれた御神足を晒してほしい。拝みたい、てゆーかもう踏まれたい。


「「それだっ!!」」



俺たちは閃いた名案の素晴らしさに二人で手を叩きあった。




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あきゅろす。
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