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黒の教団編
Pretty boy



*Pretty boy*



「あ、ティモシー発見!こっちおいでー」

「??」


小腹が減ったおやつ時に、食堂に訪れたらアレン姉ちゃんがブンブン手を振ってきた。


うん、姉ちゃんやめて。周りにいる探索部隊のおっちゃん達の視線が痛いから。



ジェリー姉ちゃん(と呼べと言われた)に特大プリンを貰って、呼ばれた席にいそいそと向かう。


よかった、足引っ掛けられたりしなくて。そこまで大人気ないわけじゃないみたいだ。……こないだは奇襲にあったけど。


テーブルを囲っていたのはアレン姉ちゃんと神田兄ちゃんとホクロの兄ちゃん、リナリー姉ちゃん、それにラビ。


「……姉ちゃん達、いつも一緒にいるね。暇なの?」

「ちょっとだけお休みを貰ったんだよ。あまり過酷労働がすぎるとグレて何するか分かんないぞー♪って、コムイさんに進言しといたの」



姉ちゃんは相変わらず逞しい。
花が綻ぶような可憐な笑顔を浮かべてるくせに、セリフはどす黒い。



「そんなことより、ティモシー、ここに座って」

「え、……ぅん?」



アレン姉ちゃんは自分と神田兄ちゃんの間に空間を作って、その場をペシペシ叩いた。


いいのかな。二人の間に座ったら兄ちゃんが怒るんじゃないの。
遠慮がちに兄ちゃんを見たけど、兄ちゃんは怒るどころか、座って欲しそうだった。


一体、何なんだ。


ぴょこんっと座り込むと、姉ちゃんが手を叩いて『ほらねっ』と何やら嬉しげに言った。兄ちゃんには満足げに頭を撫でられ、俺の頭は疑問符でいっぱいだ。


リナリー姉ちゃんとラビが、俺ら三人をしげしげ眺めて頷いた。



「うん。たしかに、似合うさ」

「ティモシーってわりとつり目だもんね。髪や瞳の色を差し引かなくても全然イケるわね」

「でっしょー。可愛いなぁ、ティモシーは♪僕らの養子にならない?」

「な、ぁっ!?」



どうりで似てる似てないって話になるわけだ。三人で並んで仲良し親子の図を作りたかったんだな。姉ちゃんも兄ちゃんも。



「今なら美人な両親を持てるんだぞー」



姉ちゃん、ソレ自分で言っちゃうんだ。まぁ否定できる人がいない事実だけどさ。


でもそれって無理あるだろ。俺、九歳だぞ。それほど歳が離れてるわけじゃないもん。せめて弟にしてよ。



「うわっ!?何すんだよーっ」

「ティモシーがあまりにも可愛く迷ってるから、ギュウッてしてるのーっ」



それは分かるけど、やめろってば。遠巻きに見てるおっちゃん達の歯軋りが聞こえてきそうだよ。
すっげー目ぇ血走ってんじゃん。超怖いんだけどっ。



「なんだ、ティモシーってば探索部隊ズが怖いの?」

「………………うん」


何かもう心読まれてるとか初歩的な疑問にはツッコまないよ。ラビから、それは『素敵スキル』なんだって教えられたし。



「僕の可愛いティモシーが怯えさせるなんて許しがたいですね……………神田」



姉ちゃんに名前を呼ばれた兄ちゃんが瞬時に何かを投げた。俺にはヒュッという音しか聞こえなかったけど、遠くでおっちゃんの一人が倒れた。



「……兄ちゃん何したの?」

「デッドorダーツ」

「やだなぁ、ティモシー、知らないの?爪楊枝ダーツっていう新しい遊びだよ」

「モヤシ、他の連中はどうする?」

「こっち見てなければ別にいいですよー」


兄ちゃんは心得たとばかりに爪楊枝が敷き詰められた円筒をテーブルに戻した。


「………ユウ、ウチのパンダ爺の弟子になれば?」

「やなこった」

「そうですよ、パンダJr.は引っ込んでてください」

「なんさ、パンダJr.って!」

「ラビがあのメイクしたら別れるからね」

「リナリーさんっ!!?」


ラビっていつもこんな扱いなんだって数日もすれば分かってきた。そうゆう可哀想な運命のヤツなんだな。


「ティモシー、どしたの?」

「え、」



ポケーッとしてたら姉ちゃんにまたハグされた。今度は頬擦りつきの大サービスだ。



「あっ、もしかして爪楊枝ダーツやってみたい?」

「投げ方のコツなら教えてやるぞ」

「や、いい。やらないっ!」



やっぱりこの二人はスゴい。
俺なんかが養子だなんておこがましいよ。



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影の人(リンク)出番なし(笑)



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