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黒の教団編
かの芸術家



開始早々、探索部隊たちによって手足を厳重に縛られたラビはスタート地点から動けずにいた。


「はーなーせ――――っ!!離すさぁぁぁっ!!」

「いやですよ。ラビ殿は要注意人物なんですから」



一人の言葉に対し、周りがうんうん頷く。ムッと眉間に皺が寄ったトコロで無意味だ。仕方ないなと諦め、背後にいた人物に声を掛ける。


「ティエドール元帥は何で参加したんさ?」



黒縁眼鏡、蓄えられた口髭。綿飴のようなもじゃもじゃした髪の中年の男は、親友(とラビは信じてる)である神田の師匠である。


ティエドールは同じく縛られた躯でゆったりと振り返った。



「いやぁ……こうでもしないとユウ君が彼女を貸してくれないんだよ。私は絵のモデルになって欲しいだけなんだがねぇ………」

「あ――……ユウは独占欲が強いからなぁ」

「あの純白の髪と肌は素晴らしいね。瞳の銀も魅力的だ」

「うんうん、分かるさぁ」

「彼女の存在それ自体が、まさしく一つの芸術品だね」



動きと同じくらいゆったりとした声音でツラツラ述べるティエドールに、ラビはふと浮かんだ疑問を聞いた。



「まさかと思うけど………そのモデルはヌード?」

「…………………」



マジですか。



「………元帥、それはダメさ。ユウが許可しないのは当たり前さ」



呆れて息を吐くラビに、ティエドールはきょとんと首を捻った。顔には『何故?』と書いてある。



「ユウ君は繊細だからねぇ………私は美しいものを記したいだけなのに」



本気で言ってるなら、根っからの芸術馬鹿も考えものだな。


最早、言葉も出てこないラビは口の端を引き攣らせた。



◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


必要とあらばユウ君のヌードも……とか考えてるティエおじちゃん(笑)




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あきゅろす。
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