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黒の教団編
ルール説明



最初に思ったのは『何だココは』


次いで思ったのは『来るんじゃなかった』


最終的に感じ取ったのは騙されたことへの憎悪かな。


眉間に青筋を立てたアレンは目の前に広がる光景を冷たく見下ろした。


身長的に見上げているんだけど、その目に宿るのは独裁者の如き冷徹な眼差しなのだ。


数百人の隊員達の合間を縫って、手招きしている権力者の下へと歩み寄る。



「聞きたくないですが、何やってるんですか、コムイさん」


「よく来たねぇ、アレン君、神田君」


「ええ、そりゃあ任務地と言われた場所ですし、神田と一緒だから迷子になる心配もないですからね。まさか皆さんが揃って観光に来てるとは思いませんでしたよ」


刺々しい言葉に対して、コムイは悪びれずに笑い声を上げた。



「あっはっはー♪いやだなぁ、そんなに怒らないでよ。これから楽しい楽しいゲームが始まるんだから」


「……それが僕等の本当の任務ですか?」



先程から無言で怒りを訴える神田と一緒に権力者を睨み付ける。

二人ともちょっとの刺激でイノセンスを発動しかねない。



ピリピリ……寧ろビリビリとした空気の波動が辺りを包んでいた。


流石に慄いたコムイは額に汗を滲ませた。
生身の人間が敵う相手ではない。



「二人とも落ち着いて」



そこに現れた助け舟。

彼等が敵視していた男の妹が間を割って入ったのだ。


「リナリー……どういうことなんですか?」


「騙してごめんね。でも、アレン君達にとっても悪い話じゃないから、話だけでも聞いてあげて」



二人にとって大親友と幼馴染みという立場にいる彼女の懇願に、アレン達は渋々頷いた。


妹の影に隠れていたコムイがその様子にホッと息を吐いて拡声器を取り出した。


「皆の衆!役者は揃った!ゲームを始めようっ!」



話聞くだけじゃなかったのか。何かもう強制参加になってないか。おい、こらボケ眼鏡。

てめーらも『おぉ―――っ!』とか叫んでんじゃねぇよ。



黒アレンの断片が垣間見える中、スピーカーから叫ばれる言葉を大人しく聞いた。


「え――……これから行うゲームはずばり、鬼ごっこです。ただし、皆さんには鬼を捕まえて貰いまーす。制限時間は正午から二十四時間。勝利条件は鬼を捕獲し、この時計塔まで連れ帰ること。ここまでで質問のある方ー?」


「「「ないでーすっ」」」


何だ、その気色悪いハモり。
行楽気分がこんちきしょー。


「戦闘条件及び禁止事項としましては共闘、妨害は許可します。武器においても銃器、剣、爆薬、毒物の使用を許可しますが、行き過ぎた攻撃は失格の対象となります。また、民間人は避難済みですので、壊しすぎなければ住宅の侵入も許可します。最後にエクソシストの参加者はイノセンスの使用を十二時間後までは不可とします」



最後のルールにブーイングと歓喜の叫びが交錯する。






「さて、それではお待ちかね、鬼を発表します!」





嗚呼、嫌な予感。
てゆーか、もう分かっちゃった。殺していい?





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