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「失礼しまーす」


窓の外に向けていた視線を扉に向ける。入ってきたのは看護婦のようだ。真っ白なナース服に身を包んでいる女性は医療道具が乗せられている無機質な台車を押しながら入ってきた。



「包帯を変えに来ました。それとこれを。シンク様が渡してほしいと仰っていました」


そう言われ手渡されたのはペンと紙束。心の中でシンクに謝辞を述べてさっそくそれを使って看護婦に自分の意志を伝えた。



〔ベッドを少し上げてもらってもいいですか?〕



看護婦はにこりと笑ってまだ満足に動けない##name1##の代わりに付属のリモコンでベッドを上げる。ゆったり座っれるような角度になった所で止められる。


お礼を書き机の上にそれを乗せる。


看護婦が手際良く包帯やガーゼを外す。それを患部から外す時に痛みが走った。ズキズキ、とテンポよく襲う痛みは暫く続いた。



「お名前を聞いてもいいですか?」


〔##name1##です〕



看護婦は紙を覗き込み##name1##さんですねと笑った。

看護婦なのだから名前は知っているはず。それでも##name1##に訪ねたということはこれから暫く##name1##の担当になって最初のコミュニケーションを取ろうとしたのだろう。


##name1##はもう一度ペンを取り紙の上を走らせる。



〔私はどれ位で治りますか?〕



看護婦はカルテを手にとって、考えるように言った。



「傷の治癒には一、二ヶ月はかかると思います。後日先生が説明しに来ますから詳しいことは、その時お聞きになって下さいね。」



そう告げると看護婦は仕事を終えて早々と病室から出て行った。##name1##は溜め息をついて力を抜くとベッドに深く体を預けた。



帰りたい…。

##name1##は止まない痛みに嫌気がさして少しだけ眠る為に目を閉じた。






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あきゅろす。
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