桜蘭高校ホスト部
別に深い意味はなくて(環ハル X’masネタ)
こっそりと。
貴方の目の届かないトコロで。
「ハールヒー」
「ハルちゃんならとっくの昔に帰ったよー?」
「んなっ!!」
ああきっと今ごろ環先輩は馬鹿な事言ってるんじゃないかな。
「お父さんに何も言わずに帰るなんて、もしや反抗期…!?」
「タマちゃんそれは違うと思うよー?」
ハニー先輩だけに先に帰ると伝えたのはきっと正解だ。
別に今日はスーパーの特売日でもないし、夜中にやってもいいから早く帰る必要はないんだけど。
でも、少しでも早く、と焦ってしまう。
「「最近ハルヒっていつにも増して帰るの早いよネー」」
昨日は双子がつっかかってきたけど軽く無視して帰ってきちゃった。
「自分は光や馨みたいに暇じゃないからね」
別に忙しいわけじゃないけど。
別に、隠す事はないんだけど。
誰もいない家の扉を開けて部屋に入る。
鞄を置いて机の引き出しを静かに開けた。
そこにある2本の細い棒とそれに絡まる白いふわふわの毛糸。
「全然簡単じゃないよ」
一人言を漏らし、毛糸の下に埋もれた本を睨む。
編棒をそっと持ち上げて広げると、3日かけて手のひらサイズにまでなった毛糸の絡み。
「あと一ヶ月か…」
壁にかかった日めくりカレンダーを眺め、来月の24日が早くきてほしいような、永遠にこないでほしいような、毛糸の絡みと睨めっこしてみる。
「…やるしかないか」
そして今日も毛糸との戦いが始まった。
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