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桜蘭高校ホスト部
笑顔の価値(馨→ハルヒ→殿)



「どうしたら」



うっかり落とした呟きを逃さずハルヒに拾われて


「何?どうかした?」


「…何でもない」


正直かなり焦った。



どうしたら、なんて言い出したらたくさんありすぎて溢れてしまう。



どうしたら僕の方を見てくれるの?

どうしたら僕の側にいてくれるの?

どうしたら、僕の事を好きになってくれるの?




どうして どうして どうして君は、

僕を見てはくれないの?


こんな事伝えたらさすがにハルヒも困ってしまうね。


でも、こんなふうに人を好きになったのは初めてだから、どうしたらいいのかわからない。



花束をあげてもキラキラした宝石をあげても、お客さん達にするようにとびっきり優しくしても、君は喜ばないじゃないか。

僕を好きになってはくれないじゃないか。



歯がゆい思いばかりが僕の身体を駆け巡ってどうしようもない気持ちがまたひとつ増える。






「どうでもいいけど、逃げないと捕まっちゃうよ。ある程度合せないと先輩の気もすまないし」


僕らは今学校の中庭で鬼ごっこなんかしてて(もちろん殿の突然の思い付き)ほら鬼をしてる殿を見て、ハルヒは相変わらずゲンナリとため息をついている。


「殿の庶民遊戯もいい加減にしてほしいよ」

だからそう言ってみたのに。



「たまにはこういうのも楽しいかもね」


君は笑顔でそんな事を言ってのける。




花束よりも 宝石よりも


価値がある物を見つけた瞬間。



それと同時に鬼ごっこを発案した殿に対して、わずかながら嫉妬心を抱いた。




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