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桜蘭高校ホスト部
僕の気持ち(馨)

いつからか

無自覚だったのが

自覚に変わって


こんなに苦しい思いをするなんて、想像もしてなかったよ。



「…馨?」

ハルヒは僕の微妙な態度の変化にもすぐに気付いて

それがまた僕を苦しめる。

真っ直ぐに僕を見上げる君の眼が、痛い。

「どうしたの?」


光と……君にだけは、気付かれたくない。




本当の僕のキモチ。





「何も?」

笑顔を作るだけで精一杯になるなんて、僕らしくない。

ハルヒがそれで納得するわけがないのはわかってるけど、僕もこれ以上どうする事もできないし。


でもハルヒは眉をしかめるだけでそれ以上聞こうとはしない。

僕もそれ以上なんて望まない。




進む事もなく、戻る事もなく…

僕らは一定の距離を保つ。

それだけの事が苦しい。


進んでしまったら……









もう、前のようには戻れないのかな。



3人でいる事はできないのかな。



未来なんて来なければいいのに。











「…あんまり無理しないでね」





ハルヒはそれだけ言って。







名を呼ぶ殿の元へと駆けていく。












これだけの事がすごくすごく嬉しいんだから。






これから先の未来がすごく不安になる。










隠していけるだろうか?






このまま





時が止まってしまえばいいのに







このまま






キモチを隠していけなかったら…



そんなのは考えたくない。








「馨ー!こっち来いよー!」

光が子供みたいな笑顔で呼ぶ。






ああやっぱり今が一番いい。



今を楽しまなくちゃ損だ。


「「殿ー!!こっちこっちー☆」」








しばらく今のままで








みんな鈍感なのをいいことに





甘えていよう。





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