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桜蘭高校ホスト部
あのこの気持ち(環ハル)


うちの娘はたまにおかしな事を言い出すけど、


『どうやら自分は、先輩に対して特別な感情があるようです』


今回は本当に、ハルヒがおかしくなったんじゃないかと思ってしまった。



「……ハルヒ?」



今、何て?



「だから、先輩は他の人と何かが違うんです」

「やっと俺の事を、本当のお父さんだと認めてくれたのかにゃ?」


あえて誤魔化してみる。
違ってたらショックだし。


「それは違います」

あれ?即答だ。

「お父さんにはハルヒの言いたい事がわからないよ?」


「自分だってよくわからないです」


ははっ。困ってる困ってる。
……自分じゃわからないんだ。



「…何がおかしいんですか?」


おっと、今度は怒ってる。
俺が笑ってるからか。


「ハルヒが可愛いからだよ」

こう言うとハルヒはもっと怒る。


「自分は真剣に悩んでるんですけど」

眉間に皺を寄せて。


「どうしてそんなに真剣になって悩む必要があるんだ?よくわからないんだろう?」



困ってる君が可愛いくて、愛しくて。


もっと悩んでいてほしい。

そう思ってしまうのは、俺の我儘なのかな。


でも。

「どうして俺だけが特別なんだ?」



もうそろそろ限界で。



「他の誰でもなくて、どうして俺なの?」


もうちょっと先に進みたくなる。

「…ハルヒ?」


「……自分は…」


「…ハルヒは?」






「…………よくわかりません」


「そ…そうか…」





もう少し、先に進みたいだけなのに。




もう少し、君の近くにいたいだけなのに。




もう少し、俺を見ていてほしいだけなのに。





俺は我儘な上に、欲張りなんだろうか。



「じゃあ」




君の全てが欲しくなる。




「もう少し、ここにいて?」





優しく、大切に、大切に。




ハルヒを自らの胸へと引き寄せる。



「わっ…」





抵抗しないようだから、肯定ととっていいんだね?





「………もう少し……このまま…」




小さな、それはそれは小さな声が耳の奥に届いた。



こんなに幸せでいいのだろうか。


*

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あきゅろす。
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