機械娘は気持ちを探す #9 「ぇ……」 「あ、あら」 赤髪から僅かな声が漏れ、状況を理解する。 青年が撃たれ、吐血したのだ。 腕に力がなくなり、青年が真後ろに倒れた。腕を引きずりながらも近づき、先ほどとは逆に、赤髪が青年を抱く。 赤が、地面に、青年と赤髪の服に広がっていく。 「は、はは。俺はもうダメだ。ざまぁねぇな」 口から血をたらしながら青年が口を開く。 「な、なに言ってんだよ……絶対に助けてやる!」 「お前と過ごした一年間、楽し、かった」 「いきなり何言い出すんだよ!? そんなの……お前らしくないだろ!」 返事は、なかった。 「お、おい」 青年は、応えない。 「う、うぐ…………あ、あ……アァァァァァアアアアアア!!」 絶叫。声を出さずにはいられなかった。 [*前へ][次へ#] [戻る] |