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機械娘は気持ちを探す
#6
 学校。それはありふれた日常であり、かけがえのない時間。それは機人であろうと、人間であろうと、変わらない、
 アイシアが目覚めてから2日が過ぎた。
 部屋は自由にしていいと言われたが、外出は禁止のようだ。
 いつものように窓枠にほほづえをついて外を見る。流れる人波を眺めるのも、半日もすれば慣れてきて物珍しさはない。生徒達の方も慣れたのか、アイシアに奇異の視線を向ける者はもういない。
 赤髪なんでそこら辺に居る訳がない。この学校の生徒達は適応力が高いのか……それとも、
「既に見慣れてるか……だな」
 毎回食事を運んできてくれるアインスもあの白髪も機人だった。そう言えば白髪は2日前にあったきりだ。いきなり現れていきなり消えたから名前を聞く暇すらなかった。 あの二人を見ていると、欠番達がわからなくなる。
 会社にいた時もそんなに詳しく知らなかったけど、世界中の抗争や紛争地域で姿がチラついていて、機人を収集していることくらいは知っていた。
 世界中で暗躍するくらいだから、もっと機人を厳重管理された組織かと思っていた。機人が自由に出歩けて、一応捕虜のアイシアに面会もできる。ましてや拠点が学校なんて意外すぎるのもいいところだ。
 本当に欠番達という組織がわからない。「アタシ、これからどうなんのかな……?」
 ふぃーと溜め息をついてみる。人並みはなくなり、始業のチャイムが鳴った。
 これから一時間はヒマを潰すことさえできない本当にヒマな時間。またふぃーと溜め息をつく。
「そんなにヒマなのよな?」
「あぁ」
「ならツヴァイと遊びに行くのよな!」
「……って、アンタ誰だ!? いつの間に入って来た!?」
 ぶっ飛ぶように体ごと振り向いた。背後に居たのは……栗毛の幼女?
 低身長、あどけない顔、被るというより頭に乗っけた感の否めないずれた帽子、アインスのように長い栗毛、栗色の目、その姿はまさしく幼女に値する。「? ついさっきなのよな」
 目の前の幼女は『なにを驚いているの?』といったように首を傾げる。普通いきなり背後に現れたらビックリするだろう。
「……アタシになにかご用でしょうか?」
 何故敬語なのか自己解釈すら不能。
「遊びに行くのよな!」「は? どこに? てかこの部屋出れんの?」
 幼女が幼女らしく腕ごと引っ張ってくる。……幼女どころか人間らしからぬすごい力で。
「ちょ、のわぁっ」
 引っ張ったまま双子のどっちでしょーかみたいに場所を交換され、くるりと背を向けた幼女は窓枠を蹴って跳躍した。その瞬間、アイシアには世界が霞んでみえた。

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あきゅろす。
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