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機械娘は気持ちを探す
#2
 光が目に入ると、人間は目が覚める。
 うっすらと目を開けた赤髪は太陽光の眩しさに右手を翳す。指の隙間から人影が見えた。
 シャーッとカーテンを開け、太陽光の道を作った人影は女性。背は高く、腰ほどまである長い栗毛を揺らして窓を開け放っている。
 視界をずらすと布団が見える。背中がふかふかするから寝かされているようだ。
 再び視線を女性に戻す。外の空気を吸い込む為か、すこし前傾姿勢になった女性の胸は、
「デカい……」
 なんの考えなしに呟く赤髪。
 それに気がついた女性がこちらに振り向いた。逆光で顔がよく見えない。
「目が覚めたのね、よかった」
 歩み寄ってきた女性の口元は笑っているようだ。見たところ、16、7歳くらいか。
「アン、タは?」
 屈んで顔を近づける女性。
「私はアインス。欠番達の暫定リーダーといったところかな」
 欠番達、その単語で赤髪は思考力が蘇った。フラッシュバックとでも言えばいいのだろうか。脳内で高速連想ゲームが展開される。欠番達、あの青髪、青年。 体の方が思考終了よりはやく女性に飛びかかる。
「あんっ」
 ドテンとフローリングが音をたてる。そのまま首に手を伸ばす。しかし、
「あらあら、そういうことはもうちっと大きくなったらね」
 赤髪の両手首は簡単にアインスに掴まれてしまう。「くッ」
 力が入らない。いつもならこのまま押さえつけられるのに。
「あなたの機人としての能力は制限させてもらってるわ」
「ッ〜」
「まぁまぁ、そんな怖い顔しないでよ。取って食べたりしないから、降りて貰えるかな?」
 アインスはにこやかに赤髪に話すのだった。

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