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機械娘は気持ちを探す
#1
 生まれた時や、幼少期の記憶はない。覚えていない。あの頃は、忘れたいだけだったのかもな。
 研究所に居た時期は、本当にサイアクだった。暗い実験室と僅かでマズいメシ。研究所の奴らはアタシを殺さない程度に加減していた。しぬ事さえ許されない。かといって生きる意味も実感もない。このまま壊れるんだと、考えてた。
 だけど、予想に反して地獄の日々にも終わりが来た。研究所を襲撃した会社に拾われたんだ。会社はアタシを悪くは扱わなかった。衣食住はそれなりのものだし、厳しい訓練は受けたけど、研究所の拷問みたいな実験よりは、遥かにマシ。
 それに、生きる意味と実感も見つかった。
 会社では、多くの人間にあった。だけど、皆アタシが機人だってことで、敬遠していたんだと思う。そん中アタシを唯一人間扱いしたのは、ペアを組まされたアイツだけだった。初めはベタベタしてくるだけだと無視していた。
 でも、時間が経つにてれて、だんだんアイツに惹かれるアタシがいた。生まれてこのかた、人間は大嫌いだったのに、人と交わることに喜んびを感じられた。
 アイツのいる会社。ここが、アタシの居場所だと思えたんだ。

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