旧拍手 はーい、お薬の時間ですよ1 「や、やッ!」 俺は焦って、兄ちゃんの腕を押し退けようとした。 しかし、悲しいかな、力の差は天と地ほどあるから、まったく意味をなさない。 「はー…。まったくみーちゃんはワガママだなぁ?」 俺を見下ろしながら、ニヤリ、と兄ちゃんが爽やかさのかけらさえ無い嫌な感じで笑った…。 ソファの背もたれに寄りかかって、大好きなBSフジのドラゴンボールZ再放送を見ながら、おでこに右手の甲をあててみる。 "うーん…ちょっと熱っぽいかなぁ?" 今朝、起きた時からちょっとダルかった。 原因は分かっている。 昨日、学校帰りの雨の中、傘を差すのを面倒がった俺は、まさしく濡れ鼠状態で帰宅した。 まだ、春先の雨は結構冷たくて…。 "帰宅すると同時にシャワー浴びたけど、やっぱりお湯張って湯船に浸かれば良かったかなー…? とりあえず、今日が日曜日で良かった" 大好きなドラゴンボールZの再放送を見ながら、そんなことを思っていた。 [次へ#] [戻る] |