マイペース眠り姫
眠りから半ば醒めた深夜三時少し過ぎ。まだ暗い。
部屋を橙色に染める切れかけの照明は何とか自己の明るさを保ってくれている。お陰で目はすぐ慣れた。

藍子は憂鬱だった。あと四時間をどうしてそのままでおいてくれなかったの。ぶっ通しで眠ることの出来る幸せをあなたは知らないの?
彼女の腑に落ちない心中を察し、そうだね僕が悪かったよゆっくりお眠りなんて誰も言いやしない。言ったらそれこそホラーだミステリーだで怖くて眠れない。
当然のように、そこには彼女以外誰もいないのだから。

無駄なことばかり考えている内についに目が冴えてしまったようで、体を起こして伸びのポーズ。
いつものあの脳天を抜けるような爽快感は皆無に近い。睡眠時間が全くもって足りていない。

藍子が就寝したのは午前零時、たった三時間跨いだだけでは昨日の疲れなんか取れはしないだろう。
これは読書にでも耽らなければいけないだろうか。
彼女は考える。
それとも何か暖かい飲み物でも飲もうか?
休まるための時間に頭を働かせているだけで、自分は損をしている気がする。

「しっかし寒いわね……」

空調はタイマー仕掛け。二時間前にとっくに切れて沈黙を守っている。二月の夜は些か寒かった。
布団の中で考えよう、そう思い彼女はふかふかの羽毛布団にくるまった。
音楽なんか聴いたらテンション上がるし、ストレッチは極めてしまうし何より一階には親と犬がいるし……あとは…………あとは………………





ぐう。






「おはよ―藍子!今日もよく眠れた?」
「はよっ!うん眠れた……眠れた?」
「訊くなよ」



*就寝しようとしたら(午前三時)何か思い付きました。最初締めこんなんじゃなかった。考えなし!(^^)
寝汚い子が書きたかった。オチは、ない。

[じいちゃん!]

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