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「そう。白滝学園な。
んで隣は白凰<はくおう>学園。ちょう金持ち学校」

「隣にそんな学校あって、白滝の経営は大丈夫なんですか?」

「ふ、藤井。真顔で言うな怖い怖い」

金にはシビアな雅であった。過去に何かあったか否かはここでは触れないでおく。

「まあ経営は大丈夫だ。ピンキリだからな、皆が皆金持ちでもないし校風でも選ぶだろ?
それに、もし困っても兄さんが助けてくれるさ」

兄さん?
何だろう隠喩だろうか。
雅は小首を傾げつつ茂野を見た。

「ああ、そのまんまの意味だよ。兄弟」

「……兄弟?」

「白滝と、白凰の、理事長。血い繋がった実の兄弟なのな」

「そ、そうなんですか?!」

いくら兄弟とは言え隣同士に学校建てるなんて聞いたことがない。

よっぽど仲が良いのか。
もしくは、嫌がらせか。

「白凰の理事長のが兄さんだから、困った時には何か策打つだろ。未だその機会には恵まれてないけどな―残念」

この人、楽しいこと(主にアクシデント)大好きそうだ。

雅は会って間もない担任茂野に若干失礼な印象を抱いた。


パッと見はスーツに眼鏡の組み合わせで、真面目な好青年と言った感じなのに話してみると正反対。
まあよく見ると髪色が茶金だったり履き物が便所スリッパだったりする。便所スリッパには今気付いたのだが。

茶髪は自分も人の事は言えないけれど、雅は地毛なので問題は無いはずだ。
彼は余り外見を弄らないタイプらしく、ピアスなどにも当然縁がない人間だ。

[じいちゃん!][ばあちゃん!]

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