わたしとぼく
ぼく は
わたしのなかのかたまり
それは女には不適当で
大人として不出来な
わたしの中身
ぼく は
わたしのなかのかたまり
水のようにさらついても
アメーバのようにべらりともしていない
ましてガラスのように硬く粘ったものであるはずもなく
ぼく は
わたしのなかのかたまり
かたまりとも言い難い
わたしと連続性のある やわらかな意識
わたしのなか
点々と生まれたぼくは
ぼくと引かれ合い、混ざり合う
時折はわたしに侵食されながら
その瞬間を待っている
風や光がぼくを通り抜ける
人やネコも通り抜ける
森や埃 時には宇宙までもが
ぼくを通り抜けてゆくのがわかる
ぼくは わたしのなかのかたまり
わたしと連続性のある やわらかな意識
だ というのに
存在を通すぼくの言葉が
わたしには眩しい
2013.08.24
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