飴玉
眠れていないように感じられて
夜更け頃目を開けば
しんと青い部屋
重ねたはずのカーテンから
靄のように光が差している
鉛の体を起こし 見ると
月明かりでわたしはほとんど真珠色に染まり
それゆえに
どうしようもなく 部屋と溶け合うことはできなかった
月影の海
かげだまり
枕元の缶から
飴玉をひとつ摘みあげて
ほろりと口に含んだ
やわらかくあまい暈は
わたしの内にたゆたい
わたしは温かい夜空となれるようだった
2013.07.31
<*前><次#>
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!