うたから
昇る太陽から
満天の星から
うたは放たれ
原始のように
自由に飛びまわる
人の目の届かない
地球の芯から
海の底から
雲を抜けて
宇宙の終わりまで
どこまでも
どこからも
しかしうたの生まれるその一瞬を
誰も見たことがない
ヒトを通り抜けた
波紋が ときおり
見える
だけ
昇る太陽から
満天の星から
地球の芯から
海の底から
赤く染まった赤子のほおから
ひびの入った道の花から
立ちどまった野良猫の目から
宙を舞ったアルミの缶から
手車を押す老いた父から
あらゆるものから
放たれ
飛びまわる
うた
わたしたちは逃げられない
うたから
2013.02.01
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