[通常モード] [URL送信]
彗星と話すとき



彗星がやってくるとき
ぼくはほとんど独りで
じっと、ぼくの心と話をしている
星の瞬きを聞いて
ぼくから生まれた波紋が
ぼくに還るのを楽しんでいる

彗星は六等星に負けるほどひっそりとそばにやってきて
頼りない宙に浮くぼくと二言三言の言葉を交わし
去ってゆく
賑々しく 密やかに

ぼくは目蓋を閉じて
もう一度ぼくと話し始める
煌めく尾が消え終わらないうちに
ぼくが生んだ波紋が
残った塵にぶつかって
星の声になるうちに





2012.04.14

<*前><次#>
[戻る]


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!