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「…でも、おかしいわ」

 アリスはそこに矛盾があることに気が付いた。

「自然は話ができないわ」

 アリスはここぞとばかりに自分の持っている知識を披露する。

「いいやアリス、この世に電話ができないものなんてないんだよ」

 しかし電話屋は諭すようにアリスに語りかける。

「水だって、木だって、花だって、電話くらいできる」

 しかしアリスは納得のいかない様子で食い下がる。

「嘘よ。口がなくて言葉を使えないんだから、話せるわけがないわ」

 その言葉を聞いて、電話屋は椅子の上に立ちアリスを見下ろす。

 アリスは鏡屋のこともあって、少し警戒しながら電話屋の言葉を待つ。

「アリスは自然たちの会話を聞いたことがないんだね。彼らはいつも囁き合って、歌だって歌っているのに」

 アリスの警戒を余所に、電話屋は悲しい表情を浮かべながらアリスに訴える。

「歌…?」

「そう、彼らの歌声はとても綺麗だ。特に星の声は澄み切って───」

「星が歌うの!?」



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あきゅろす。
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