DMC4 短編
皆でお掃除【3ンテ&バージル+♀夢主】
「絶っ対に嫌だね!」
「俺もだ!」
赤と青の対照的な二人は私の目の前でにらみ合う。
私はその二人をおろおろしながら宥める。
「わ、ちょ…二人とも!」
「嫌なものは嫌なんだ!」
ぎゃー!、とダンテは頭を抱えて叫びだす。
バージルは眉間に皺を寄せつつ俯く。
「で…でも、二人じゃないと無理だよ?」
「そ、それはわかっている…だが……」
私が申し訳ない気持ちでそう小さく告げると、バージルは顔を上げて私を見る。
「「コイツをおぶるなんて死んでも無理だ!」」
「あ…あはは」
そう。
私がこの二人に頼んだのは、事務所の掃除で私が届かない所のお手伝い。
私の小さい身長じゃ背伸びしても指先すら付かない場所があったのだ。
ダンテもバージルも試してくれたけどやはり僅かに届かない。身長の高いあの二人が、だ。
協力すればなんとかなると思うんだけど…。
「どうしても…?」
「…悪い」
まぁ元々仲はあまり良くないのは前から知ってるし…。
本当に嫌なみたい。
さっきから"嫌です"と書いてある顔を向けられるのでよくわかる。
「うんと…じゃあ…私をどちらかが持ち上げるというか…」
「よっしゃ、任せろ」
仕方ないと色々妥協してしぶしぶ言うとダンテ、即答。
すぐに私に近付いてきた。…所をバージルに掴まれる。
「いや、俺がやる」
「はぁ!?早い者勝ちだしな!!」
いきなり喧嘩勃発。
あの…私はどうしたら良いのでしょうか。
「じゃ…じゃあ…じゃんけん!じゃんけんで決めましょう」
と、言い出してから約30分。あいこのでずっぱり。
何時になっても決着つかず。
…双子だから?
「あう〜……仕事終わりませんよー?」
「おい、シャルアが困ってるぞ!ここは引けよ!」
「お前が引けこの愚弟が」
…全く状況が動かず。
あーあ、どうしよ。
そう思って辺りを見渡したら、目に入ったもの。
「あ」
「ん?どうした?」
私はそれを抱えて持ってくる。そして二人を見上げて。
「…脚立。あったね。」
「「……あ」」
三人は暫く硬直したままであった。
†††††††
「バージル…大丈夫?」
「ああ。問題無い」
「落っこちるなよー」
「お前じゃない。心配は無用だ…」
なにをー!
ダンテが先程立候補して掃除をしてくれるバージルに言われたことにぷんすか怒る。
「ごめんなさい…二人とも…。私の仕事なのに手伝って貰って…」
「いや…。俺達は君に色々やって貰っている。」
「そうそう。こういう時は頼って良いんだ、シャルア」
ダンテに頭を撫でられて。
バージルに優しく微笑まれ。
私は思わず頬を赤らめる。
幸せ者、だな。私は。
end
同じく別サイトからー。
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