DMC4 短編
夕日に照らされた横顔は【3ンテ×♀夢主】
「ダンテ、急ごう。速くしないと夕飯遅くなっちゃう」
「おっと…そうだな」
私はダンテの腕を引く。
そんな私にダンテは従ってくれる。少し嬉しくて、私はつい微笑む。
今日は一緒に仕事をこなして来て、今やっと事務所の近辺に辿り着いたのだ。
既にすっかり落ちた夕日が私たちを照らす。
「ダンテ、今日は何が食べたい?作れる範囲なら作るよ」
「おっ。じゃあピザだな」
「却下。」
「えー!!」
私は呆れながら即答すると、ダンテは残念だ、というように肩を落としながらブーイングをしてきたが無視だ。
「何で?作れないか?」
「作れるよ?でもダンテは何時もそればっかしだから駄目!」
「シャルアのけち」
「けちじゃありません」
唇を尖らせるダンテが少し可愛いと思った。
だが駄目なものは駄目だ。
私がご飯が作れない日は彼は何故か何時もピザをデリバリーして大量に食べる。
1日くらいならまだしも、それ以外食べようとしないのだ。
よく太らないよね…。
羨ましい。
チラリ、とダンテの上半身に目をやると、無駄な脂肪が無い引き締まった身体が目に入った。そしてため息をひとつ。
「いいよね…ダンテ。太らないから。羨ましいや…」
「ま、食った分動いてるからな。いいじゃん、シャルア細いし。気にしなくて」
「そうはいかないのよね…」
そうなのか?と、よくわからなさそうに首を傾げるダンテ。
犬みたい。可愛い。
「俺はそのままのシャルアが好きだぜ?」
「ダンテ…そ、そんな恥ずかしいこと言わないでよ、もう///」
そう言って顔をそらしたらダンテがからかうように意地悪な笑い声をあげた。
ずるいなぁ、ダンテは。
「じゃあ俺は?」
「え?」
ぐいっ、と。
いきなり目の前に顔を近付けられて仰け反る。
ダンテはその青みがかった瞳を向けてくる。
「シャルアは今の俺のこと好きか?」
「ぇ、う…///」
答えは決まってる。
でも恥ずかしくて言い出せない。私がウブ過ぎるのかな。
言い出せず、目を泳がせて顔を反らすとダンテは少しムッとした顔をさせると、私の顎に手を添えて顔を向けさせられる。
綺麗な銀髪が、背後の夕日に照らされて。キラキラと輝いて。…涙が出る程に綺麗だった。
そんなダンテに黙って見つめられて。私は益々顔を赤くする。そして早く言えよ、と訴えるダンテ。
「う、ん。私も……ダンテが好きだよ…///」
「…ん。合格…!」
ダンテのことだ。
言うまで解放してくれないことは大いに予想がつく。
私は心臓的にも限界になった為、決心して気持ちを素直に目の前の彼に伝えた。
すると彼は満足そうににっこりと笑った。
その無邪気な笑顔に私はまた心臓が高鳴るのを感じた。
「じゃあ、小腹が空いたから…いただきます」
「へ?…っん!」
その無邪気な笑顔から何時もの意地悪な笑顔に変わるまでにかかった時間はまさに刹那。
唇に熱が押し当てられて、優しい口付け。
ちゅ、と軽く音を立ててから、その唇は離れていった。
やがてやっとその体勢から解放された。
「はーい、充電完了。さ、帰ろうぜシャルア」
「…う、うん!」
後からからかわれたことに対しての怒りが込み上げて来たり、こんな場所でキスしてきたことに、羞恥が襲ってくるのかと思ったけど。
不思議と嬉しくて。
私は此方を振り向かず、歩き出す大きな背中を追いかけた。
今日の夕飯の献立について話し合いながら。笑って。
end
別サイトにうpしていたやつが出てきたのでここに投下しちゃいました。
甘い物語も好みです(´∀`*)
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