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なんだかよくわからないけど絶対殴る
学園へ
しばらく運ばれていると大きな白い建物が見えてきた。なんか本当に大きいな。
敷地も大きいみたいだから大学…なのかな?そう考えてると私を運んでくれている大きな彼はスタスタとその白い建物の門をくぐっていく。え、ここ?ここが高校!?
敷地内はとても広くて綺麗で庭やら噴水やら…なんでもありですか…ここは。
建物の中にはいってどんどん奥の方へ進んでいく。さて、問題です。ここまで来るのに何人の人にガン見されたでしょーか?…答えは私にもわかりません。
そりゃあこんな大きな人が私服の女を姫だきして校内ウロチョロしたらガン見したくなるよ。私だってするよ?でもねなんでかわからないんだけどこちらを見てくる女性達の目が怖い。なんであんなに睨んでくるんですか
なんか悪いことしましたっけ?
「承太郎!?」
突然彼の後ろから驚いたような声が聞こえてた。彼は立ち止まり声のした方を向く。この人承太郎って名前なんだ…。
「花京院か、どうした」
「どうした、じゃないよ。何をやってるんだい、その子は一体…。」
花京院と呼ばれた緑色の学ランを着てさくらんぼみたいなピアスをつけた青年は私を見て承太郎さんの方をみる。
「こいつ、スタンドが見えている。おまけにスタンドからの攻撃も受けているみたいだ。」
「!…そういうことか…。」
どういうことですか。私置いてけぼりなんですが。スタンド攻撃?スタンドってあの幽霊さんですよね?あれって攻撃してくるんですか。何それ怖い。確かにあの時線路の中に引っ張られた感覚はありましたが…。
「ジョナサン何処にいるか知っているか?」
「ジョナサン先生は理事長室じゃないの?」
「分かった。」
そう言って踵を返して承太郎さんは歩き出した。
「僕も行くよ」
花京院さんもなぜかついてくることになりました。スタンドのこと花京院さんはわかってるみたいだったから花京院さんも見えるのかな…。気がついたら大きなドアの前に止まっていた。上には理事長室と書かれている。ところで私はいつになったら下ろしていただけるんですかねぇ。
ああああああああ本当にごめんなさい歩く!歩きます!歩きますから下ろしてください!!!
「あ、あのっ…」
下ろしてくださいと言おうとした瞬間花京院さんがドアをノックした。
中から「どうぞ」って男の人の声がした
「失礼します」
「邪魔するぜ」
(下ろしてください)
中に入ると青髮ですごく物腰柔らかそうな男性が迎えででくれた。
「やあ、花京院君に承太郎…って承太郎。そちらのお嬢さんは…?」
男性がニコッと笑いかけながら私を見る「こいつスタンドが見えている。おまけにスタンドの攻撃を受けた。」
攻撃を受けた。その言葉に男性の表情が少し険しくなった。
「怪我は?」
「してない、ただ腰が抜けたらしくな。
ここまで運んできた」
そう言って承太郎さんは私を近くのソファに座らせてくれた。やっと下りれた…
私の隣に男性が座った。
「突然ごめんね、君の名前を教えてくれるかい?」
「…凪です…。」
「じゃあ凪さん。スタンド攻撃を受けた時のことを教えてくれるかな?」
「スタンド攻撃…?」
そんな物理的攻撃を受けた記憶はないのですが。
「お前が線路に落ちそうになった時のことを話せばいいんだよ」
そういいながら承太郎さんが私の向かい側に腰を下ろす。
「えと…隣町に買い物行こうと思って駅のホームで電車待ってたら…首が苦しくなってチョーカーを外そうと思った瞬間誰かに手を引っ張られてそのまま線路に落ちそうに…」
そして今度は誰かに首根っこを掴まれ引き戻された。あの時引き戻されるのが少し遅かったら電車と衝突していた。思い出しただけでゾッとする。
「ふむ…で、承太郎はなんで彼女がスタンド攻撃を受けていると思ったんだい?」
「こいつがそのチョーカーに触れた瞬間煙みたいな手が現れてそいつを線路に引きずりこむのを見たからだ。」
「…凪さん。申し訳ないんだけれどもそのチョーカー見せてもらえるかな?」
「あ、はい。」
頷いてチョーカーを外そうと留め具に手をかけた時だった。
「………あれ?」
「…どうしたの?」
「あの…えと…」
「?」
おかしい。そんなことは絶対にないのに
絶対にありえないことなのに。
「留め具が…ない…」
「え?」
一生懸命チョーカーに触れてみるけど留め具が消えている。なぜ?とりあえず外さないといけないのでちぎることにした。チョーカーと首にできる隙間に指をいれようとしたがチョーカーが肌に吸い付いているみたいに隙間がなかった。
「とっ、とれない…」
「!?」
「少し失礼。」
そう言って花京院さんが私の首に指を這わせた。ヤバイ、くすぐったい。おまけになんか顔近い。ヤバイ。
「本当だ…留め具がない…。それに首に縫い付けられたみたいにチョーカーがひっついている」
もう何がどうなってるんですかね。
「これがスタンド攻撃…?」
「多分それもあるだろう。ただ、まだその能力はよくわかっていない。…凪さん、
これは君を守るためのお願いなんだけれども…」
青髮の男性は真剣な表情でこう言った。
「この学園で君を保護させて欲しい。」
なに…、保護?はい?
「君の今の状態は常に何者かのスタンド攻撃を受けていることになっているんだ。また君が危険な目にあう可能性も十分ある。それに君はスタンドが見える。つまり君はスタンド使いの資格があるということだ。だが君はまだスタンドが発動してないしスタンドの知識もままならない。スタンドが発動した時スタンドが暴走しないように訓練を受けて欲しい。」
待って、待ってください。つまりそれって…
「簡単に言えばこの学園に編入してほしい。」
あぁ…めまいがしてきた。意味がわからない。なんでこんな事に…
「でも私っ、もう他の学校に通ってるし、それにお母さんとかにも言わなくちゃいけないし…そんな、無理です…。」
「保護者さんのことは大丈夫だし、学校のこともこちらでなんとかできるから大丈夫だよ。…それに君が拒否し続けて今の学校に通い続けるのは君の命が危ないしなにより他の関係の無い人達も危険にさらされてしまう。」
「!!」
それは嫌だ。私のせいで周りが傷つくなんて絶対に嫌だ。なにがおこっててどんな状況にいるかまだよくわかってないけど一つだけわかるのがこの学園に入学すれば周りの人達には迷惑はかからないって事だ。
「わかり…ました。ここに編入します。
親と今通ってる学校の方よろしくお願いします…」
そう言って頭を下げると大きな手が私の頭を撫でた。
「大丈夫、任せて。突然ごめんね、こんな混乱するようなことを押し付けちゃって。必ず僕たちやこの学園で君を守るから安心してほしい。」
この人の手はとても大きくて暖かった。
「さて、じゃあ自己紹介がまだだったね
僕の名前はジョナサン・ジョースター
この学園の理事長をしているよ。よろしくね、凪さん。」
そう言ってジョナサンさんはニコッと私に微笑んだ。
ああ、とっても紳士な笑顔だな。

そう思った瞬間私の意識が吹っ飛んだ。


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あきゅろす。
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