NOVEL
天使Ver.

コックはいつも天使みてぇだ。

見た目もキンピカに光って肌が白くって目ん玉が青くて。

笑った顔なんかガキ臭くてプニッとして可愛いんだ。

見た目だけじゃなくコイツは中身もやっぱり天使だ。

優しくて思いやりがあって、他人の事ばっかり心配して自分の事は後回し。

仲間の為なら命さえ簡単に投げ出す。

そんな純粋な心を持ってやがる。

まるで背中に羽が生えてねぇ天使みてぇだ。

そもそも神にすら祈らねぇオレが天使なんか信じるなんて可笑しいだろ?

ナミとロビンが言ってやがったんだ。

"サンジくんは天使みたいね"って。

初めはバカみてぇとか思った。

けど段々、あー成る程と思っちまった。

だってよ、普段のコイツは確かにナミ達の言ってた天使のイメージにピッタリだ。

まぁ天使ってヤツがこんなに足癖悪いかは別にしてよ…

少なくともウチのクルーにとってコイツは可愛くて優しい天使みたいな存在らしい。


でもオレがコイツを天使だと思うのは、ソレとはちと訳が違う。

コイツの持つもう一つの天使の姿。

堕天使の顔をオレは知っているからだ。


オレとのセックスの時のコイツは、まさに悪魔に成り下がった天使だ。

天使の顔と悪魔の顔。

どちらも持ってやがる。

今だってオレのチンコを口一杯に咥わえて、タマをニギニギしやがって。

すっげー気持ちイイ。

今すぐにでもコイツの口の中にザーメンぶっ放してぇぐれぇ気持ちイイんだ。

それなのによ…。

オレ達の傍らに置いてある蒼い砂時計。

これがオレを苦しめる。

否、本当に苦しめているのはソレを置いた張本人。

淫らに口淫真っ最中の天使様。
もとい、堕天使だ。

いつものようにオレのセックスの誘いを小悪魔スマイルで受け入れてくれたコイツ。

ディープなキスをしてお互い徐々に高まって来て。

オレがコイツの身体を隅々まで舐め回して可愛く喘がせた。

コイツも負けじとオレのチンコ舐めてくれようとして。

さあ、これからシックスナイン突入だ。

此処までは大体いつも通りだった。


ただ今日は此処でこの堕天使の悪魔のような挑発が加わった。

「なぁゾロ。テメェオレより早くイッたら今日のセックスはお預けな」

「はぁ?急に何言ってんだ!オレは早くヤリてぇんだよ。さっさとこっちにケツ向けろ!」

「嫌だね。テメェがオレより先にイッたら今日は此処でおしまい。この砂時計の砂が全て落ちる前にイッてもEND。…どうだ、乗るか?」

そう言ってポケットから蒼い砂時計を取り出して小悪魔のように微笑む。

グワーっと身体が熱くなって来て、ヤリたくてヤリたくて堪らなくなっちまった。

こうなりゃもう何だって受けてやる!

「ああ、乗ってやるよ。但しオレが勝ったら今日は寝かせねぇ。覚悟しとけよ」

「ああいいぜ。好きなだけ付き合ってやるよ。但しオレからも一つだけ条件がある。相互フェラ中オレのケツへの接触は一切禁止だ。…ケツ弄られたら絶対オレのが先にイッちまうもん…。どうだ、条件飲めるか?」

そんな事上目遣いで聞いてくんなよ。

もうYESって言うしかねぇだろ!

「ああ、その条件飲んでやる。ついでにテメェより先にオレがテメェのも飲んでやるよ」

「…ゾロ、オヤジ臭ぇ。このエロオヤジ!」

「何でもいいから早くこっちにケツ向けろ」

「…ったく、ムードもへったくれもねぇな。…分かったよ」


仰向けに寝転ぶオレに背中向きに乗りながらチンコをオレの顔の上に持って来て。

身体を伸ばしてオレの股の間に頭を落とし、勃起したソレに舌を這わせて舐め始めた。

!!ヤベぇ、最高に気持ちイイ!

相変わらず絶妙な舌使いだ。

このままずっとこのフェラを味わっていてぇ。

でもダメだ。

非常に惜しいが、このまま流されるわけにはいかねぇ。

絶対負けらんねぇんだ!


オレは目の前で可愛く揺れるピンクのチンコを見た。

固く勃ち上がったソレは先走りに濡れて、テカテカと光っている。

絶景だった。

これだけでイケんだろってぐれぇのエロさだ。

駄目だ駄目だ。

イッてどうする!

男なら黙って耐えろ、ムスコよ!

視覚に負けそうになったオレは急いでソレを咥わえた。

実はコイツはコレだけじゃなかなかイッてくれねぇ。

フェラん時はケツのナカに指や舌を挿れてやりながらマエにも刺激を与えてやる感じで、どちらかと言えばメインはウシロの方。

コイツは言うと嫌がるが、もうケツへの刺激がねぇとイケねぇ身体にオレがしちまったんだ。

その証拠に、サオを舐めるオレの視界の片隅に映る孔は、ヤラしくパクパクと絶えず小さな開閉を繰り返していた。

まるでオレを誘うように。

オレが欲しいと訴えるように。


ああ、舐めてやりてぇ。

今すぐ色んなモン突っ込んで、グリグリ掻き回してイカせてやりてぇ!!

コイツん中はすげえイイんだ。

畜生、オレも早く挿れてぇ!!

無意識にそんな事を考えていたら、思わず出ちまいそうになって我に帰った。

ヤベぇ、危なかった!

もう少しでセックスお預け食らうとこだったぜ。

多分このままじゃオレよりコイツが先にイク事はねぇだろう。

それならオレが砂時計の落ち切るまで耐えるしかねぇ。

蒼くサラサラ流れるソレは、ゆっくりゆっくり下に溜まっていく。

未だ半分近く残る蒼が、今のオレには酷く恨めしい。


オレは考えられる限りの辛かった出来事やムカついた事を思い出して懸命に気を逸らしつつ、口の中のモノに舌を這わせ続けた。

目を瞑ってしまおうとも思ったが、時々目線を下げた先にサンジのエロい顔が垣間見えて、それを見逃すのが勿体なくて出来なかった。

それが自分で自分の首を絞める事だって分かっていたけどな。


それでも色んな誘惑に負けねぇように、パクパクとオレを誘い続けるソコから必死に目を逸らし耐え続ける。


チラと見た砂時計はやっと残りが三分の一程になっていた。

…後少しだ。

頑張れオレ。


…ん?……



…コイツの左手の動き、何か変じゃねぇか?

右手はオレのタマ、ニギニギ中。
左手もさっき迄サオを扱いていた。

その左手が今は自分の腰辺りを彷徨っている。

手の平が腰から背中に這って行き、その手が更に二つの丘の間に滑って行きそうになったところで我に帰ったように引っ込められた。

行き場の無くなったその手は思い出したように元の位置に戻り、再びオレのサオをシュコシュコと扱く。

けれど暫くするとその動きが緩慢になって、また左手は彷徨い始めた。

腰の辺りを拠点に、まるで必死に何かの誘惑と戦っているかのように動いていく左手。

…そうか。

オマエの左手の目的地が分かった。

でも悪いな。

もう少しだけ我慢してくれ。

オマエのソコに行きたいのに行けない切なさも、オレのイクにイケないもどかしさも後少しの辛抱だ。

この勝負が終わったら、オマエが満足するまで目一杯ソコを可愛がってやるよ。


そしてオレは気付いた。

砂時計の蒼が、今まさに一粒残らず下に落ちて行った事に。


オレは手を伸ばし砂時計を取ると頭を少し上げて、ピクピクと微動を繰り返していたケツの孔にむしゃぶりついた。

突然の事に驚いたオマエは、驚愕とも喘ぎとも取れる声を発し、後ろを振り向きオレを見た。

「ゾロ、テメェ約束守れなかったから、この勝負」

オマエの鼻先に、綺麗に蒼が落ち切った砂時計を突き付けて

「この勝負はオレの勝ちだ。テメェより先にイッてねぇしケツにも触んなかっただろ。約束だ。今夜は寝かせねぇからな。…まずはコレをどうにかしてくれ。続きしようぜ」

ニッと笑って見せたオレに

「…あーあ、オレの負けか。仕方ねぇな。とことん付き合ってやるよ」

オマエはそう言いながらオレのチンコを咥わえ、グチュグチュと激しく頭を上下させ、両手ではタマをモミモミとやんわり揉み拉いた。

!!

………。

…出ちまった・・・

あんだけ我慢してたんだ。

イクのは早いとは思ってたけど、こんなにあっという間にイッちまうなんて…。

こんな早くイッたのは多分初めてだ。

一度にこんな量出すのも。

引っ切り無しに噴射するソレを口一杯に受け止めながら、ゴクンゴクンと音を立てて必死に飲み込むオマエが愛おしい。

すげえ量出しちまったんだ。

それも最初のだから相当濃いだろう。

うめぇもんでもねぇのに、オレの出したソレを吐き出さずに零さず飲んでくれる。

オマエは天使だ。

キンピカに光って、肌が白くって、目ん玉が青くて、プニッとして可愛いオレだけの天使。


その天使がニコッと微笑んだ。

なんだよ、その可愛い笑顔は。

そりゃ反則だろ。

そんでスーッと近付いて来た天使はオレにキスして。

!!

………。

…入れやがった!!!

口の中に広がる苦くて粘つく液体。

ソレが少しずつオレの口内に溜まって来る。

確かにオレがオマエのも飲んでやるって言ったよ。

けど自分のを飲むなんて言ってねぇ!

オマエのなら幾らでも飲めるが、自分のには抵抗がある。

それなのに、全てをオレに注ぎ終えたオマエが

「はいゾロ、お裾分け!」

なんて小首を傾げて満面の笑みで言ったもんだから。

それに見とれて、思わず…飲んじまった。

一息に全部ゴックンと・・・

…やられた!!

さっき迄天使だったオマエに覗いた堕天使の顔。

両者は紙一重で、どちらが顔を出すかはオマエ次第。

気まぐれな天使達に翻弄されて、オレはまたオマエの罠に嵌まっちまった。

けど、どちらの天使もオレを引き付けて止まねぇ。

さあ、次に顔を出すのはどっちだ?


オレは夜通しの約束を守って貰うべく、可愛い天使の身体に溺れていった。


その時見た笑顔は、果たしてどちらの天使だったのだろうか?


《終》




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あきゅろす。
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